これから何が起きるかではなく
すでに起きている?

ヨーロッパの信用不安と日本の現状(2012.5.29)

 新聞の片隅にしか書かれていない記事ですが、ギリシャの資金は国際支援が受けられなければ6月20日にも枯渇するという警告がパパデモス前首相から出されていたようです。

 もしそうなったらどうなるのか、ということが書かれていないのでなんとも判断のしようがないのですが、同じページに今度はスペインの国債が売られ、10年債の利回りは6.5%台に急上昇したと書かれています。

 グラフも出ているのですが、スペインは2007年頃に不動産バブルが崩壊していたんですね。この頃は私はフルタイムで勤務していたせいかもしれませんが、そんなニュースはほとんど見た記憶がありません。

 しかし同時に出ている銀行の不良債権比率の急上昇はものすごいです。それまで1%だった比率が2008年頃から急上昇。

 2012年3月現在で8.37%だそうですが、グラフを見る限りまだまだ上がりそうです。4年間でここまで上昇したのですから、いくつかの銀行が破綻するのは当然です。

 この数字を見て、その昔日本の銀行の不良債権比率がこの程度だったのではないかと数字を思い出しました。そこでこの点について調べてみると2001年度末に8%を越していた日本の銀行の不良債権比率は2005年時点で2%程度に減少したと日本銀行のページに出ていました。

 なるほどだから日本の国債が買われているのか、なんてなんとなく納得したつもりですが、不良債権比率について検索した他のページでは、実は不良債権予備軍がここのところ増えている、という記事が多数見られました。

 これは日本経済新聞の記事によるものだそうですが、2011年の日本の銀行の貸し代金合計額は約455兆円だそうで、その内何と44.3兆円が不良債権予備軍だそうです。

 本当にそうなのかという疑問はあるにせよ、こういった記事が大新聞に掲載されるからには、それだけの根拠があるのだろうと判断せざるを得ません。

 ではどうしてそのような予備軍が増えているのかというと、「金融円滑化法」という法律が出来たことにより、不良債権の算定基準が変わってしまったというのが原因のようです。

 借金まみれになった日本国の財政、不良債権比率が高まっているかもしれない現状、ヨーロッパの信用不安に端を発する円高、遅々として進まない政治、これらを考えると日本の国債格付けが下がるのは当たり前のような気もします。

 また同じころ、日本の国債は2年以内に危機を迎えるという大胆な予測がアメリカのヘッジファンドから出されました。

 あちらもこちらも八方ふさがり。その中を生き抜くにはどうしたらよいか。ギリシャやスペインの問題は対岸の火事ではなく、すでに日本でもボヤが起きていると考えて行動した方が良さそうに思いますが、何をしたらよいか分からないのが情けない所です。  


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