給料が下がりデフレが進んで・・・

国家公務員退職金引き下げ法可決の影響(2012.11.19)

 ニュースの方は選挙一色になっていますが、その影でいくつかの法案が駆け込みで可決されました。私が関心を持って見ていたのは「国家公務員退職金引き下げ法案」です。

 当然可決されたので、これから引き下げが始まるわけですが、国家公務員さんから「ふざけんな!」という声は余り聞こえてこないような気もします。以前から囁かれていたことですし、公務員という立場上あまり大きな声で訴えにくいのかなという気もしますが、金額が大きいだけに気になっています。

 それでも法案は可決されましたので、これから実施されるわけですが、いったいいつから実施なんだろうと思って調べてみると、来年1月から再来年7月にかけての19ヶ月間で3段階を経て引き下げるみたいです。

 現在の国家公務員さんの退職金の平均は2700万だそうで、これを2300万に減額するということですから、その差は400万。細かい規定は分かりませんが、例えば来年1月から6月ぐらいまでは130万、7月から12月までさらに130万、最後に140万、というような感じでしょうか。

 普通は年度の替わる3月に定年退職を迎えることになると思うので、来年の3月までに60歳となっている方の退職金が130万減るという感じでしょうか。

 しかし来年3月までに59歳になっている方は実質400万減額ですから、いっそのこと「もういいや、これ以上激務は続けられない」といって1年前に早期退職をする方が増えるかもしれません。

 さらに将来の年金の職域加算分も2000円ほど減るみたいですが、退職間際になっての変更は困るだろうなと思います。

 とはいうものの、民間の中小零細企業に較べれば、これだけ多額の退職金をもらえるんだから充分だろう、という気持ちはあると思います。その気持ちが分かるからこそ、不平不満が大きな声になっていないのかもしれません。

 ただ私が懸念しているのは、現在の日本の経済状態を考えると、国家公務員の退職金が引き下げられ、年金も下げられる事によって、その影響は地方公務員にも波及し、日本国全体の退職金水準や年金水準が下がることによって、さらに物が売れなくなりそうだということです。

 物が売れなければ、これは需要と供給の関係で必然的に物価は下がっていくはずですから、ある意味歓迎すべき状態かもしれませんが、そうなると所得税も消費税も納入額が減るわけですから、国家の収入がなくなります。

 その結果今抱えている借金は、相対的にさらに増えていくはずです。現在は国家予算の半分が税収で、残りの半分が借金です。しかしやがて全体の3分の1が税収。残りはすべて借金というように、借金の比率が増える一方となり、その先にどんな経済状態が待っているのか、さっぱり分かりません。

 借金が増えれば円安になり輸出業が潤って経済が活性化する、なんてことも考えないわけではありませんが、現在の電機業界の競争力を見ると、それで勝てるのか?という感じもします。

 日本の将来と自分のこの先10〜20年ぐらいの将来を重ね合わせて見ているのですが、真面目に考えれば考えるほど、未来が暗く見えてしょうがないです。


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