国家同様、家計も不安

こんなに借金を重ねて大丈夫か(2013.1.15)

 12年度の補正予算を閣議決定したということで、その結果国債発行52兆円超だそうです。この額を経済再生のためしょうがないと見るか、これでは将来の子ども達の負担が増すだけと見るかで立場が大きく変わると思うのですが、私は後者の立場です。

 昨年の最後の方に期日は忘れましたが、民主党がまだ政権を取っていたとき、当時の安倍さんは、「自民党から民主党政権になって借金が増えた」ということを執拗に繰り返し、野田さんを問いつめていた場面がありました。

 野田さんは、国債をなるべく発行せず(東日本大震災である程度の出費を余儀なくされましたが)、その代わり消費税を上げて社会保障のためのお金を確保するように努力したと、多少評価しているのですが、あのときの安倍さんと、その後自民党の代表となり、総理大臣になれそうな頃からの言動のギャップが大きいなと感じています。

 あれほど執拗に他党の国債発行額を責めておきながら、自分が政権を取った途端に、国債発行枠なんか気にせず、ともかく金融緩和、財政出動という謳い文句でどんどん借金を重ねるという神経が理解できません。

 他党がやっている場合は文句を言い、自分がやる場合はそれが正しいという態度は、傲慢にしか思えないのですが、それに対するメディアの批判はあまりないようです。

 たしかに大胆な金融緩和という宣伝文句?により、為替は円安に振れ、それに伴って株価は上昇しました。しかし企業の経済環境がこの一ヶ月で大きく変わったわけではありません。

 もちろん、今後は金融緩和により経済が好転するという可能性もありますが、一方で借金は増え続けるわけですから、例え見かけ上株価が上昇していっても、庶民の生活が将来的に楽になるようには思えません。

 また借金を重ねて、その借金を今後どのように償却していくのかというビジョンは、現在まで安部政権からは聞こえてきません。ただただ借金額を増やすだけの政権にみえてしょうがないです。

 一方で今日は生活保護支給額を引き下げのニュースが報じられていました。もちろん賛否両論あると思いますが、生活が厳しくなることは間違いありません。

 また国家公務員に続いて地方公務員の給料引き下げも要請されている一方で、消費増税が予定され、円安にガソリン、灯油等が値上がりし、自賠責保険料が上がる等々、ともかく負担は増える一方です。

 投資をすれば良いのかなとも思えますが、私のような年金暮らし目前の人間にとって、「今こそ投資だ!」という甘い言葉にそそのかされてしまうと、うまくいけばいいですが、失敗すればそれこそ生活費がなくなってしまうという状況に陥りかねません。

 そもそも投資は余剰資金がある人が行うもので、現在の所持金で生活を行っている人に投資は不可能です。ということは株価上昇の恩恵にも預かれないということで、結局給料が減り、税金が増え、さらに物価が毎年2%ずつ上昇し負担が増していくだけです。

 しかも国全体の借金は膨らむわけですから、どうも先行きの展望が見えにくくなったなあと感じています。老後の生活設計としてシミュレーションを行うことを勧めてきましたが、ここ数か月でシミュレーションの根底が覆りつつあるような気がしています。


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