負担を増やして受給額を減らしたら

生活保護費を削減する根拠(2013.1.18)

 年末にバンコクに行き、夜は居酒屋さん巡りをして、つかの間のプチリッチ生活を楽しんできましたが、そのとき飲み屋さんで聞いた話では、バンコクのスーパーで一ヶ月働くと、給料はだいたい5000B(バーツ)もらえる、ということでした。

 今1Bは円安の関係で3円ぐらいだと思いますので、日本円換算で15000円ぐらいです。

 一方日本のスーパーは時給800円ぐらいで、1日8時間働くと6400円。25日働くと16万ぐらい。つまりバンコクとの給与水準はおよそ10倍違うと言うことです。

 確かにバンコクのタクシー料金の初乗り運賃は100円ぐらいで、高架鉄道の初乗りは30円ぐらいですから、交通機関の運賃も10分の1ぐらいになっています。

 ところが街歩きをしていると巨大なショッピングモールがあちこちに建設され、日本の値段と変わらないような商品が陳列されています。

 そこで営業できると言うことは買う人がいると言うことだと思いますので、いわゆる富裕層というのは日本の給料とそれほど変わらないかそれ以上の額を得ているのかなと思います。

 ところがもう一方では、路上で物乞いをしている人があちこちにいっぱい見受けられます。子供をかかえたお母さんが路上に1日座り込んで、プラスチックのカップを持って小銭をせがむ様子は胸に迫ります。

 日本ではホームレスの方の話題は出ますが、物乞いというのはあまり見かけないような気がします。(最近都会に行っていないので実態はよく知りませんが)

 いずれにしても日本とタイでは経済格差の開きがとんでもないほど大きい、ということで、一時期総中流社会と言われていた日本社会の収入格差が、現在徐々に上下に拡がりつつあるのかなと思いますが、タイほどではないことは間違いなさそうです。

 しかし先日の新聞では生活保護費を切り下げるという話が出始めました。理由は普通に働いても生活保護費より少ない収入しか得られない人がいるからだと言うわけですが、どうも発想が逆のように思えてしょうがないです。

 つまり生活保護費を下げるのではなく、最低賃金をあげる必要があるのかなということです。生活保護費というのは、他の生活と較べて云々ではなくて、最低限の生活を保障する、という目的で支給されていたはずです。

 つまりそれより低収入しか得られていない人たちは、最低限の生活費を得られていないと言うことですから、こちらの額を上げる方法を考えるのが普通かなと思えるわけです。

 昨日のニュースでは自殺者が減ったと言われていましたが人数を聞いてびっくり。3万人を切ったということですが、数字の大きさに改めて驚かされました。

 全国で仮に3万人とすれば、東京は3000人ぐらい。とすれば1日に8人ぐらいの方が亡くなっている可能性があるわけです。理由は病気や経済状態だということのようですが、これは二つに分けられるものでもないような気がします。

 お金がないから充分な食事が出来ない。だから病気になりやすい。だけど医者にはいけない。病気で苦しむ日々を経験し、その先の展望もない。となったら後の選択肢は・・・。

 逆もありますね。体調を崩して仕事をやめる。収入がないから病院に行けない。後は同じです。年2%の物価高を言い、10兆もの補正予算を組めるなら、その一部をもう少しこういった所に充当できないかと思えるのですが、どうもそのお金は大企業に回そう、というのが自民党の政策であるような気がしてしょうがないです。


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