徐々に苦しくなる庶民の家計

見かけの株価上昇、実質的な生活保護費削減(2013.2.27)

 13兆円にも渡る、補正予算と言うよりは年間の税収の3分の1近いお金を補正で使うという、ものすごい大盤振る舞いの予算が、なんと参議院でも賛成多数(1票差ですが)で通過。

 これらの借金はいつ誰がどこで負担するのか、というところが気になるところですが、とりあえず物価上昇率2%めがけてしゃにむに突っ走るのかなと思えます。

 つまりともかく現状のジワジワとした不況の雰囲気を何とか少しでも高揚させようという事だと思います。

 まあそういった予算が今後執行されれば、もしかしたら景気は上向くかもしれない(自民党は上向けるという意識でいるのだと思いますが)という期待感と、お金をどんどん使うことよる円安効果で株価は上昇。

 とりあえず12月以降約2ヶ月で、もしかしたらという期待感はまだ持続しているようです。自民党としては、この勢いを更に推し進め、さらに期待を膨らませるという雰囲気作りを目指しているのかなと思えます。

 確かに見かけ上株価が上がっているので、「さすが自民党、頑張っているじゃないか」というように考えている人も多いのかもしれません。

 しかし株式投資等に縁のない庶民にとって、12月と2月の生活で何が変わったのかと振り返れば、何も変わっていません。

 むしろ円安が進み、海外旅行にも行きづらくなり、輸入製品の価格はジワジワ上昇し、何より原油価格の上昇でガソリンや灯油価格も上昇。

 今年の冬は寒いので、我が家の灯油消費量も昨年より増えていますが、それ以上に購入費が増えています。しかも新聞にさりげなく書かれていますが、再生エネルギー買取費用というのが5月から電気料金に上乗せされます。

 それらを総合して物価上昇率2%を達成するのが自民党の方針なのかなとも思えますが、もし物価が上がるなら給料もそれに連動して上がらないと生活がますます苦しくなるのは明らかです。

 自民党は経団連あたりに「給料を上げて欲しい」みたいなお願いをしたようですが、それが実際に給料にどの程度反映されるのか。

 一部の大企業ではボーナス等に反映するみたいですが、日頃からほとんどボーナスが支給されないような中小零細企業までそういった影響が反映されるのはいったい何年後だろうかと考えてしまいます。

 しかも今日の毎日新聞朝刊の「異論反論」コーナーで作家の雨宮処凜さんが指摘しているように、生活保護費が削減された影響で、その他38項目もある様々な福祉的な制度にその影響が出る可能性が指摘されています。

 物価は値上げを目指し、生活保護費を初めとする受給額は値下げを目指すというのは、明らかに矛盾した政策だと思います。

 生活保護費は最低限の生活を保証するものですから、査定が厳しくなるのはやむを得ない部分があるにせよ、受給額は下げるのではなく、私自身も以前書きましたが、最低賃金を上げるべきだと思います。


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