株価上昇、円安で物価も上昇

株価は上がりましたが物価も上昇。さて来年は(2013.12.31)

 2013年もあと14時間ぐらいでしょうか。新聞を読んでいると、当たり前ですが今年を振り返って、というニュアンスの記事が多いように思います。

 経済面では、東証が1年で56%上がったという記事が多く見られます。確かに不況だ不況だと騒がれていたときに較べると、上昇の勢いもあるように見えます。

 その勢いに素直に乗れた方達は良い年だったと思えるかと思います。私も上半期にはほんの少しですが、数年に渡って積み立てていた投資信託を売却し、若干の利益を得て、これでバンコク旅行を楽しむことが出来ました。

 夏場にちょっと相場が膠着状態に陥ったとき、すべてを売却しましたが、その時にもう少し我慢していれば、今はもっと利益が出たなあと思わざるを得ませんが、こればっかりはどうにもなりません。

 とはいうものの、買っても買っても砂にしみこむ水のような状態から、買えば多少は利益が出るという状態に戻ってきたという意味では、アベノミクスの効果はあったのだと思います。

 安倍首相は嬉しそうな顔をして会見に臨んでいるようですが、ここまでの流れの基礎は、極端な金融緩和の影響であって、経済そのものが好循環に入ったとは言えないような気もします。

 素人目ですが、円安になったから輸出が増えるという期待の元に株が買われ、特に外国人投資家と呼ばれる人たちからの買いも入り、そのせいでず〜っと塩漬けになっていた株やようやく利益が出始めた投資信託を売却した私のような個人投資家が、ほんのちょっとだけリッチな気持ちになって、購買意欲が高まったという流れであるような気がします。

 しかしスーパーで食料品の買い物を続けている私から見ると、食品価格はジワジワ上がっているなという印象を持たざるを得ません。特に今年の後半になってから、その傾向が強いように思います。

 たぶん前半は昨年の為替の約束によりある程度円高の状態で海外から輸入できたのだと思いますが、それが後半に入り、急速に進んだ円安の影響を受けるようになり、食品の物価が上がり始めたと言うことだと思います。

 私はお昼に自宅でパスタを食べることが多いのですが、一時期450gで198円という価格になり、これは助かったなと思っていた麺が、今はどんなに安いスーパーでも278円程度まで上がっています。単純計算で40%の上昇です。

 実際新聞報道では、この1年で為替は22.1%下落したと書かれていますが、この1年ではなく1年半ぐらい前までを含めると、最高値は78円でしたから現状の105円と較べると約35%の下落となり、上記の40%高という数字は、それを素直に反映したものであると言えそうです。

 たまたま我が家がいつも購入しているパスタの麺が値上がりしただけだとは思いますが、私が買わないような輸入食品でも、多かれ少なかれ値上がりしているのではと思われます。

 消費税が上がると、こういった食品価格はさらに現状より単純計算で3%ほどアップするわけですから、上記のパスタも10円ほどアップする計算になります。

 物価が上がれば消費額が増え税収は増額となり、日本経済にとっては良いことなのかもしれませんが、年金世代にとっては、来年以降はますます厳しくなりそうだという思いを強くしています。

 株高を歓迎するのも良いと思いますが、株高の恩恵を受けるのは一部の人です。しかし円安による物価上昇や消費増税は全員に影響しますので、結局資産の少ない、収入の少ない人たちに大きなしわ寄せがいくのではないかという懸念を感じます。

 というようなことを考えながら、大晦日を迎えました。今年1年お付き合い下さった方ありがとうございました。来年もめげずに書き続けたいと思いますのでよろしくお願いいたします。


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