首都圏の医療体制が不十分?

集団的自衛権と出生数、どちらが大事?(2015.6.6)

 このサイトは早期退職者の生き方がテーマだと思っているので、あまり政治の話題は出したくないのですが、安全保障の問題は、憲法の根幹や息子の時代の国の流れを左右すると思っているので、触れざるを得ません。

 集団的自衛権の国会論戦は、3名の憲法学者さんが違憲の可能性が高いと言ったことにより、一挙に野党が元気付きました。

 学者さんの立場としては、要するに今回の法案は法的な論理性に欠けると判断したのであって、自民党は学者さんの中でも「いろいろな意見はあるはずだ」と言っていましたが、多くの憲法学者は懐疑的なんだろうと思っています。

 それでもなんとか法案を通したいというのが政権側の考えで、どうやったらいかにも怪しい法案を、まるで正しい法案であるかのように答弁するかという話術の問題になっているような気すらします。

 うがった見方をすれば、それほど日本の周辺が危なっかしいとか、中東の機雷掃海が出来ないとエネルギーが枯渇するという不安を政府が抱いているのかなと思われます。

 しかしそれならば、そういった不安要因や自衛隊のリスクを明確にして、憲法改正から始めるべきなのに、それをうやむやにして解釈だけ変更するという手段に頼ったため、混乱を招いているようにも思えます。

 安倍総理が米国訪問で先走って法案を通すと言ってしまったもんですから、なおさら後にも引けず、閣僚間の合意形成も不十分なまま国会に突入。それが中川大臣のあやふやな答弁につながっているようにも見えます。

 一方今日の毎日新聞朝刊には「集団的自衛権 対米サイバー攻撃も対象」なんて書かれていて、米国がサイバー攻撃を受けた場合、武力行使の3要件を満たせば集団的自衛権の行使の対象になるという見解が明らかになりました。

 この場合通常兵器での反撃も否定しないと言うことですから、攻撃拠点が明確になれば、逆に武力で反撃するという可能性が出てきました。

 政府はサイバー攻撃の場合、場所の特定は難しいと答弁しているようですが、もし場所が分かったらそこに武力攻撃を加える可能性があると言うことで、ますます際限なく武力使用の範囲が拡がりそうです。

 そもそも日本の国土を守るための自衛権だったのが、友軍も守るというように対象範囲を拡げてしまったことから、様々な矛盾が生じているように思われます。

 さてどうなるのか?今後の流れを注視したいと思っていますが、一方で出生数が減り、少子高齢化がさらに進んでいるようです。長期的な視野で見たら、こちらの方が間違いなく日本の存亡に関わる問題であるような気もします。

 しかも今のところ有効な手立てはまったく見えていない気がします。唯一、「首都圏にいると医療体制が充分でないぞ」という脅し文句のようなニュースがあり、田舎なら大丈夫、ということのようですが、どうも意図的なものを感じます。


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