強い国より若者が多い国を!

安全保障法案が通過して喜ぶのは誰?(2015.6.9)

 韓国のMERSは、感染者は病院内にとどまっているということで若干安心をしていたのですが、相変らず感染者数も亡くなられた方も増えているようで、現状はよく分かりませんが、病院はパニック状態になりつつあるのではと、ちょっと心配です。

 影響で、韓国への旅行はキャンセルが相次いでいるそうで、病気だけでなく経済的な打撃も大きくなりそうです。しかし重ね重ね不思議に思うのは、中東では散発的なのに、何故韓国でこんなに感染が拡がっているのか?

 病院の初期対応が悪かったり、病院名を公表するのが遅れたりというのも一因だと思われますが、人口密度や、一人の人間が移動する範囲が広いということも原因かもしれません。

 一方国内では安全保障法案が憲法に違反する可能性があるということで、自民党は国会会期を延長する決断をしたそうですが、延長してでも通過させるぞという気になっているように思えます。

 しかし憲法違反の可能性が高いと多くの憲法学者が言っているのに、法律の専門家ではない政治家が、整合性があると言い張っている様子は奇妙としか思えません。

 やはり安倍総理が渡米したときに何らかの約束をしてしまったという背景が大きいのかなと思いますが、そんな約束ごときで日本中が混乱するのは困ります。

 ましてや憲法の根幹に関わるということですから、民主党が言うように、一度は廃案にするのが筋であるように思います。

 個人的な見方ですが、どうも経済力が疲弊しつつあるアメリカが、アジア方面での軍事費負担が大きくなってしまったので、その一部を日本が肩代わりすることを望み、それを安倍政権に強く働きかけているというように感じます。

 そう意味では、安倍総理は、この機に乗じて日本を軍事的な強い国に仕立て上げ、周辺国からのちょっかいを受けないようにしたいという気持ちが強いのかもしれません。

 しかし周辺国の立場に立てば、日本が武力をいつでも使える状態にすると言うのは脅威であり、互いに武力の増強は歯止めがなくなる可能性もあります。

 これまでは刀をサヤに納めて周囲を見守っていた状態だった武士が、抜き身の刀身をさらし、「寄らば切るぞ」と威嚇し、さらには友が危機に瀕した場合は、そのまま馳せ参じるというのが法案の具体的状態であるように感じます。

 その状態をよしとするのか、やりすぎだろうとするのかが一つの焦点になっているわけですが、そもそもその前段階で憲法が、刀を抜くことは自分自身意によほどの危機的状態が生じない限りまかりならんと規定しているわけですから、ここに矛盾が生じています。

 さてどうなるのか?夏まではこれらの動きに目が離せませんが、一方で庶民にとってつらいのは円安、物価高です。強い国にすると威張ってみても、疲弊した年寄りばかりが生活しているのでは、笑い話にもなりません。


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