住宅ローンは手数料が大きい

マイナス金利でローンを組めば有利に運用できるか?(2016.2.8)

  日銀のマイナス金利は、一般庶民に向かって、「貯金なんか意味がないんだから、ため込んでいないでどんどん消費に回せ」という裏のメッセージが隠されているのではと思うようになってきました。

 貯金をしても増えない。投資をしたらさらに減る。という状況がはっきりしたら、「じゃあ低金利の今のうちにローンを組んで、家や車等の高額商品でも買おうか」という発想になる人が表れてもおかしくないです。

 そう思って、今仮に自動車を買おうとして100万円借りたら、返済はいくらぐらいになるのか調べてみました。こういったシミュレーションはネットを使うと簡単にできます。

 そこで自動車ローンという検索語句で調べてみると「住友SBIネット銀行」のサイトが出てきました。ここには金利が1.525〜3.725%と書かれています。

 だとするとと考えて100万円を借りて5年で返済、金利は最低の1.525%が適用された場合、返済金額はいくらになるのか?さっそく調べてみると、返済総額は104万ぐらい。

 年間で8千円の負担増。一か月なら700円弱。「そんなもんかあ。さすがに低金利の効果は大きいな」と思いましたが、返済シミュレーションをよく見たら、下の方に事務手数料21600円と言う、高額なお金が表示されていました。

 うわべだけの返済総額だけを見ていると「ちょっとは有利かな」と思えたのですが、手数料の額を見て唖然。借りるだけなのに、なんでこんな手数料なのか?とてもじゃないけど借りる気になれません。

 そもそも100万円を1年間預けて、金利は0.02%ですから利息は200円。5年預けてようやく1000円。実際にはここから税金が引かれますから増える金額は800円弱です。

 銀行はそうやって、借りる人からは手数料と金利でお金を儲け、預ける人には出来るだけ少ない金利にして、その間で儲けを得ていることになります。

 そう考えると、バブル危機の時は税金を投入したのにと、つい恨み言を言いたくなります。まあ銀行の窓口も一時期よりは顧客サービスに力を入れて、窓口で不愉快な思いをすることは少なくなっていますが、こういった儲けのからくりを知るとやはり腹が立ちます。

 しかしではどうすればよいのかとなると、ともかく多くの庶民は財布のひもを締めて、将来に備えるという選択肢しかないように思います。

 そんなんで日本経済が復活するとは到底思えないのですが、なぜか安倍政権や日銀は、これが復活の起爆剤になると思っているようです。


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