誰のためのマイナス金利なのか?

マイナス金利で銀行も消費者も悲鳴。メリットはどこにある?(2016.2.18)

 今日の新聞に、私が利用している「りそな銀行」も金利を0.001%にするという記事が出ていました。いよいよどうしようもない状態になってきたなと感じています。

 もっとも預金総額自体が少なければ、0.02%だろうが0.001%だろうが、現実の生活の中で消費している金額に比べれば、ほとんど差はないという考え方もあるように思います。

 マスコミのマイナス金利だからこうした方が良い、というアドバイスに従って右往左往して時間と手間をかけるより、地道に仕事をして100円でも200円でも多く稼いだ方が良いという結論にもなりそうです。

 逆算すればわかることですが、時給800円で1時間働けば800円の収入がありますが、1億円を1年間預けて1000円と言う利息(税引き800円弱)ですから、いかに労働によって得られるお金の価値が大きくなったかとも言えます。

 その意味では、利便性や金利の低さを嘆くより、今やっている仕事があるなら、それを少しでも充実させ、時間的余裕があるなら副業等を考慮した方が良いのかも知れません。

 今日の毎日新聞の朝刊には「マイナス金利の衝撃」という記事があって、「貸し出し増不透明」という大きな見出しが出ています。

 「こりゃ確かに厳しいな」と思ったのは、記事に掲載されている銀行の貸出残高のグラフ。2000年の預金残高は480兆円ぐらいで、2015年まで700兆円と右肩上がりに増えていますが、貸出残高の方は460兆円ぐらいからほぼ水平に移動し、現在も同じような水準です。

 つまり銀行からお金を借りる需要がない、ということで、必然的に銀行が国債を買うという構図になっているように思われます。

 だからそれを変えるためにマイナス金利と言う論法なのだと思いますが、金はあるけど借りる人がいない状況では、銀行の採算は悪化するだけのような気もします。

 これが続けば、体力のない地方銀行や、もともと財務体質が悪かった一部の銀行に経営危機が訪れ、またしても税金で補てんなんてことが起きるかもしれません。

 さてどうなるのか?消費者としては、どうせなら住宅ローンあたりで、1000万借りても返すのは1000万でいいですよ、と言うようなゼロ金利ローンが出ればいいのかなと言う気もしますが、そうすると銀行はどうやって利ザヤを稼ぐのかという問題になりそうです。

 その場合様々な手数料を駆使して儲けを得るということになりそうです。すでに手数料の導入やATM利用料の値上げも視野に入っているみたいですから、ある日通帳を見たらいつものまにか口座維持管理料が数千円引かれているなんていう日が来るかもしれません。


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