仕事をかけ持ちが当たり前

ハワイの就業形態と日本(2013.8.30)

 ハワイはリゾート地ですから一人で遊ぶのはちょっと、と思う人も多いと思いますが、異文化体験はどこに行っても面白いです。

 今回のメインテーマは食べ歩きですが、それ以外にハワイの一人旅はどんな感じなんだろう?という興味もありました。

 すでに20回目ぐらいのハワイで、しかもほぼ毎回10〜16日間の旅行をしていますので、主な観光地は行き尽くしています。それでも青い空と青い海を眺めながら、未だ行ったことのない場所や店を探し求めてさまようのが面白いですね。

 ワイキキ市街は、自宅の最寄り駅周辺と同じぐらい細い路地の先がどうなっているのか分かるようになっています。

 それにしてもハワイの就業形態は不思議です。あるレストランに行って、日本語も話せる日系の可愛らしいウエイトレスさんがいたのですが、昼間は違う店で働いていると言います。またこのレストランも働く曜日が決まっているそうです。

 そういった視点で見ると、いろいろなお店の従業員さんは、オーナーを除いて、毎日顔ぶれが異なります。要するに、働く方はパートタイムの仕事をいくつも掛け持ちしているわけで、雇う方はそうやって安い賃金の労働力を得ているのかなと思えます。

 しかし働く側にすると、職場によって仕事の内容と質がコロコロ変わるので、それぞれの職場で一定の業務水準を維持するのは難しいだろうし、一つの仕事のエキスパートになることも難しいような気がします。

 また雇用者側は従業員さんがコロコロ変わるので、そのシフト体制の管理が大変なような気がします。しかも仕事の水準も上がりにくいわけですから、長期的に見るともったいない気がします。

 それでもそういった働き方が当たり前になっているということは、そうした方が圧倒的に賃金が安くすむ、というメリットが大きいということのように思われます。

 一方日本ですが、派遣やパートタイムといった就業形態が現在も増えている実情があります。政府は、もしかするとハワイのような就業形態を目指しているのかもしれませんが、それが日本にとって本当に良いことなのか疑問に思えます。

 リーマンショック後ハワイ経済も大打撃を受け、観光客は激減。あちこちで店が倒産しました。その荒波を乗り越えた店や企業が、世界経済の復調に伴って、現在大きな利益を上げ、それが物価の上昇に繋がっているように見えます。

 ある意味では理想的な流れかもしれませんが、しわ寄せは仕事がない方や低賃金で働く方に向かい、気持ちがすさんで暴力的な事件を起こす人もいるようです。

 どんな社会が良いのか私にはよく分かりませんが、貧富の差の正規分布を考えると、日本はどちらかというと中央の山が高く、裾野は狭い、富士山をタテに引き延ばしたような社会だったように思えます。

 しかし今の政権が目指しているのは、裾野をもっと拡げて金持ちを増やそうという意向に見えます。(それによって経済の立て直しを図るということでしょうか?)しかし数学的には当然反対側の裾野も拡がりますから、貧困層はこれまで以上に増えそうな気もします。

 どんな就業形態がよいのかはよく分かりませんが、少なくとも腰を落ち着けて働ける場所がある、ということが、自身の将来を見通す上でも大事なのではないかと思えます。しかし、パートの仕事ではそう言った見通しを持つことは難しいように感じます。



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