平均入院日数と高額療養費

60歳を越してからの医療保険(2013.4.18)

 4月中旬を過ぎ、もうすぐ税金や保険の支払いシーズンとなります。60歳以降の医療保険をどのような形にするのかということを時々考えます。

 私がこれまで掛けてきた保険は共済のものなので1年ごとの更新です。家族3人で暮らしていたとき、一番保険料を払ったときで年間10万円ぐらいでした。今は5万ぐらいだと思います。

 積立型ではなく掛け捨てですので、保険料はかなり安かったです。その分浮いたと思われるお金は、住宅ローンの繰上返済やハワイ旅行の費用に回ったと思えます。

 さらにその後妻の予期せぬ病気によって高額療養費の存在を知り、実は「それほど高い保険は必要ないんだ」ということがよく分かりました。

 今私がなんらかの重大な疾病になって、長期入院を余儀なくされた場合、医療費に関する月々の支払額はたぶん最大で8万円前後だと思います。 もちろんパジャマ代や個室等を特別に希望した場合は、これにもう少し加算されますが、それを考えたらきりがありません。

 私の連れは、亡くなる前、約2年間の闘病生活を送りましたが、その2年間の間に自宅療養の期間もあり、実際の入院期間は15ヶ月前後だと思います。

 自宅療養の時も当然通院で治療は行われていますが、それらすべてを含めて私が実際に支払った総額は、日常的に必要だった細々とした雑貨も含めて200万ぐらいだと思います。

 ということは、これを全額保険でカバーしようと考えならば、月々は200÷24=8.3万となり、ほぼ高額療養費の限度額と一致しています。つまりどんなに長期に入院しても、現行の医療制度なら月々8万前後の負担ですむ、ということです。(実際には連続した長期入院の場合さらに負担は減ります)

 月々8.3万なら1日あたりの補償額は3000円ということになります。つまり私の妻のような長期入院であっても、入院時は1日あたり3000円の補償があれば、家計への負担はほとんどないということになります。

 通院時にも少しはお金が必要だろうと考えれば、1日4000円ぐらいでもいいかもしれません。

 一方我が家の妻の例は、一般的な治療ではなく、かなり長期にわたる特殊な例だと言うことも分かっています。これは平均在院日数という統計があって、これを調べると、病院で過ごすすべての患者さんの入院日数の平均は30日ぐらいです。

 この値は高齢者や精神的な病気による入院も含まれていて、いわゆる一般病床での平均日数は17日ぐらいです。

 そう考えると、実際のところ60歳を越えた今、これからの保険はどの程度の補償が必要なのか、慎重に検討する必要があるなと思えます。

 入院保障1日5000円とか1万円というキャッチフレーズにつられて年間10万もの保険費用は、働き盛りならともかく年金暮らしになったら本当に必要なのかなと思えます。

 我が家の場合は、まだ息子が学生で卒業するまではちょっと私自身に何かあるとまずいなと思っていますので、多少の保険は必要だと思っています。就職までこぎ着ければ安心できます。


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