趣味を通して会話の機会を得る

人は常に誰かと会話をすることを求めている(2015.10.19)

 ヤフーの健康ニュースを見ていたら、「中年期の心の健康に必要なのは・・・「趣味か仲間との運動」」という記事があり、私はすでに老年期入っているのかもしれませんが、やはり気になるので内容を読んでみました。

 筑波大のチームの研究のようですが、注目すべきは「一人でする運動や、ボランティア活動などでは効果がはっきりしなかった」という一文。ちょっと衝撃的です。

 ではどんな場合に効果があるのかと言うと、誰かと一緒に運動すれば明確な効果が現れるそうです。ということは、夫婦なら一緒に運動をするのが一番良いという結論になります。

 しかし実際問題、私は早朝や夕方にウォーキングをしていますが、夫婦または子連れ等、複数でウォーキングをしている方はほとんどいません。

 つまりこの場合、体力的な健康度は維持されるが、一人で運動している限り、心の健康にはそれほど影響しないと言うことになります。

 とはいうものの巷のストレス解消法で推奨されているのは運動ですから、このあたり少し矛盾するなと感じます。もしこの統計が正しいなら、一人で運動する場合、肉体が疲れることでストレスが解消されたと思い込んでいるだけで、本当は解決していないと言うことになるのかもしれません。

 また趣味については、特に男性は誰かと一緒に行なう場合だけ効果があった、と書かれていますので、一人で趣味に没頭しても、心の健康には寄与しないということになりそうです。

 というわけで例えば私には釣りという趣味もありますが、一人で出かけて、砂浜で1日投げ釣りをして、そのまま帰ってくるという場合、肉体は疲れて気持ちよい疲労感に浸れますが、それだけでは心の健康への影響は少ないということです。

 となると、釣りに行って、その道中若しくは釣りの最中に、ほんの少しでも良いから、誰かと話をして経験を共有すると言うことが必要なのかもしれません。

 そういえば50代後半ぐらいから、私が一人で砂浜で投げ釣りをしているとき、そこを通りかかる他の釣り師さんから、「釣れますか?」という何気ない問いかけを受ける機会が増えたなと思っています。

 このあたり、もしかすると釣り情報を得たいという気持ちはもちろんあるのだと思いますが、やはり誰かとちょっと言葉を交わしたいという潜在的欲求があるのかなと思えます。

 私が最近頻繁にハワイやバンコクに行って、あえてまだ行ったことのない場所や店に行き、まったく知らない人と会話をしたいと考えているのも、もしかしたらこういったことが背景にあるのかなと感じます。

 結局人は誰かと会話をすることが大事だと言う当たり前の結論ですが、その機会を得るために趣味を利用すると考えてよいのかもしれません。


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