早ければ楽しめるが、資産は目減り

高額商品を買う場合、シニアはいつ買えば良いのか?(2015.9.29)

 フルタイム勤務時代に音楽好きが嵩じて吹奏楽部の顧問となり、偉そうに指揮棒を振っていたいことがあります。男がやってみたい職業の中で指揮者と言うのは割と上位に来る職業で、相手が高校生とはいえ、思うようなリズムで音が出てくると、それはそれで気持ちが良いものです。

 しかし単に音楽が好きというだけでは、生徒からの信頼感は得られませんので、自分でも楽器を何かやろうと考え、学生時代に関心を持っていたフルートを吹き始めました。

 そうすると、今度はもう一人の顧問に棒を振ってもらって生徒と一緒に合奏する機会も増え、「こりゃまじめに練習しないとみっともないぞ」と思い、職場近くのフルート教室に1年ちょっとお世話になりました。

 基礎からきちんと教えてもらい、その結果簡単な曲なら生徒と一緒に吹いてもそこそこ何とかなる力もつき、あちこちの老人ホームで演奏したこともあります。

 しかし45歳ぐらいになって、急に仕事が忙しくなり、結局吹奏楽の顧問も諦めた結果、自然にフルートから遠ざかってしまいました。

 ところが60歳を過ぎて、こういったブログを書くようになり、そのブログを読んで私と言う人間に関心を持ってくれた方がいて、この人のカラオケ好きに刺激を受け、「今ならフルートを再開できるかも」と思い、この春から再び練習開始。

 当初は悲惨な音でしたが、一応基礎練習の基本的な方法や知識もあるので、時間のあるとき少しずつ練習し、市販のCD伴奏付き楽譜なんかを買ってきて楽しんでいました。

 しかし半年ぐらいたつと、こういった一人で黙々と音を楽しむだけの練習方法には限界があるなと感じ、やはり刺激が必要だと思い、近所のフルート教室をネットで検索。

 先日2回目のレッスンを終えましたが、やはりこういった刺激は練習を行なう動機になるなと感じています。一方、今利用している楽器は、フルタイム時代にボーナスで買った30万円弱の楽器ですが、すでに25年以上が経過し、楽器としての耐用年数も限界に近いようです。

 というわけで、場合によっては買い替えが必要かもと、フルート教室の先生にアドバイスされて、しばし絶句。なぜなら今のフルートの上のレベルは50〜100万円必要だからで、年金暮らしには、車同様途方もない金額です。

 さてどうしたもんか、と思っているのですが、車でもそうですが、シニアの場合、こういった高額商品を最後に買うのは何歳ぐらいがよいのかと言うことが気になってきました。

 つまりフルートだと分かりにくいので車で考えますが、90歳で新車に買い換えようと言う人はほとんどいないと思います。では85歳ならどうか?80歳なら?と考えて行くと、結局買い換えた後どのくらい運転できるのか?という予想が必要になります。

 その意味では、どうせなら60代の今、すぐに買い換えて体力があるうちに新車のドライブを楽しんだほうが良い、という発想も正しいような気がします。

 よれよれになって免許返還を考えないといけない頃、ベンツだのクラウンだのを買っても、ドライブは楽しめません。だったら早いうちに買うに越したことはありません。

 一方こういった高額商品を早いうちに買えば、手持ちの現金資産が大きく目減りし、今後の生活に支障をきたす確率も大きくなります。さてどちらが良いのか?悩みは大きいです。

  
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