年金が月10万円以下だったら

2017.4.17

 フルタイムで働いていた妹がこの4月で60歳になり、めでたく退職。しかし元々フルタイムとはいえ小企業だったので、手取りも少なく退職金も出ただけ良かったという程度です。

 今後はどうするのかと言えば、老齢年金は65歳にならないともらえず、厚生年金はぎりぎり一部がもらえる最後の年齢でした。これは私と同じです、年金がもらえて良かったねという話になりましたが、その額はもともとの給料が少なかったので、月10万はおろか片手にも満たない額のようです。

 そこでどうするかと言えば、考えられるのは嘱託としてもうしばらく働くしかないという事で、4月からまた仕事に出かけています。しかし体の方はもうそろそろ限界だなという事を口にしているので、65歳まで働くのは難しいかもしれません。

 そうした前提条件で今後のライフプランを考えるわけですが、早い話がどうやら何も考えていなかったようで、年金の額の少なさに驚いているだけで何もしていないのが現状です。というかどうしたらよいか分からず、一生働かざるを得ないんだと言っていました。
 
 実際問題、多くの人はその場になって年金の少なさに愕然とし、これじゃあ働くしかないなと諦めているというのが現状なのかもしれません。

 しかし今後これまでフリーターや派遣業に就いて働いてきた人が続々退職を迎えるわけで、そういった人たちが65歳を迎えるころ、わずかな年金だけで生活せざるを得ない下流老人予備軍が溢れるという事になりそうです。

 という事は生活保護受給者もこれまで以上に増えそうで、善良な人は自分の命を消すという事を考えるのだと思います。毎日のように首都圏で鉄道の事故がありますが、今後も増加の一方ではと暗澹たる気持ちになります。

 一方で「学芸員はがんだ」みたいな全く不適当かつ不勉強な発言を公の場で平気な顔をして発言する情けない政治家がいて、こういった人たちが社会福祉だ、復興だと偉そうに言っても、現状はほとんど変わらないだろうなと感じます。

 つまり政治にはもはやあまり期待できない。となると、今ある権利にしがみついて、効率的にお金を得て、なおかつ効率的に消費するという事を一人一人が心がけないと生き抜けない時代がやってきたという事です。

 しかし生き抜くためには、収入を増やし支出を減らすというのが大前提ですが、それだけだと生きるだけが目的になってしまい、まるで戦争直後です。そこには生きる目的も必要だと思いますが、さてどうするか?

 妹の場合は幸いにして65歳まで体力が持てば仕事を続ける決心をしたようですが、それだけでは65歳以降の生活は厳しいと思います。

 という事は、先ず年金や貯蓄を増やすしかない。妹の場合、もしかすると年金未納機関があるかもしれないので、それを確認するようにと伝えてきました。

 さらに機会があったらネットを使った収入の道を教えようと思っています。たとえ一か月5000円くらいの収入であっても、65歳以降の生活ではその5000円が潤いのある生活をもたらす確率が高いです。

 次に支出。ちょっとだけ家計費の話もしてきましたが、やはり食料品の支出が大きいようです。たぶん無駄に捨てている食品も多いのではないかと思います。

 まあ残り少ない限られた人生ですから、食事位おいしいものを食べようという気持ちは分かりますが、必要以上に買ってしまうのは問題ですね。

 というように、一つ一つ支出をチェックして、収入を少しでも増やし、支出を少しでも減らすというがの老後生活の原則。さらにその上で老後の生活を充実させるために何ができるかという事を考えないといけないように思います。

 というような話をしてきたのですが、言うのは簡単。実現は大変です。しかし妹の場合、特殊な例ではなく、世の中には年金が少なくて本当にどうしようもなく困っている人はひじょうに多いんだろうなという事が分かってきました。


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