早期退職後の仕事

リストラされた方達の行く末は?(2012.8.20)

 今から2年半ほど前、精神的に落ち込み、自律神経失調症に近いような状態で早期退職を間近に控えた頃、その後の生活をどうするのかということで迷っていることがありました。

 選択肢は

@ 何もせずに休養に努める(資産は激減)

A パートの仕事をする(良い仕事があるかどうか)

B 正社員としてどこかの会社に再就職する(年齢的に雇用は難しいし、早期退職する意味がない)

C 自分で思った通りの起業をする(資本が必要、虎の子の退職金を失っても大丈夫か)

 というあたりで悩んでいて、先ずBは除外。体調が最悪で新たに就職するぐらいなら、その時の慣れた仕事を続けた方がまだマシ。しかも給料は下がるはずなので、考慮の余地なし、と判断。

 次に起業について、たぶん10冊ぐらいの本を参考にしたと思います。ただしほとんど図書館で借りた本です。

 フランチャイズに加盟するのが簡単なように見えましたが、だいたい今の世の中で簡単に見えてお金が儲かるなら誰もがやっているはずです。

 つまり自分で苦労しないと道は開けない、と言うのが原則だと思っています。実際個々のフランチャイズについて(例えばコンビニのオーナーとか、塾の開業とか)、真剣にそれで勝負しようと思ったら、たぶん普通に就職している以上の体力と気力が必要だろうなと思われ、それなら今の仕事を病休をとりながらでも続けた方がよいと判断。

 その次の結論が@。例え精神的にボロボロになっていても、そのまま家で静かに静養していたら、社会との接点を失い、初老のひきこもりになりそうだと判断。

 結局早期退職するなら、収入の額にこだわらず、社会との接点を持てるようなパートの仕事がよいだろうと考えていました。

 その方針に沿って、新聞広告などを眺めたりもしましたが、50代以降の仕事は、例えパートであっても、その職種は限られていると言うことに徐々に気がつきました。

 そこで、もっと広範な情報が必要だなと考え、「ハローワーク」の求人情報をネットで検索したりもしました。

 年齢や希望する時給の条件を入力して検索するとものすごい数がヒットします。しかし内容をよく見ると初老の男性が行う仕事として考えられるのは、守衛、交通整理、清掃、介護、スーパー等が多く、その時給は800〜1000円前後です。

 もちろん給料の額にこだわるつもりはありませんが、教員という専門職に就いていた感覚からすると、体力を使う割に対価が少ないなという印象をもちました。

 そこで専門職を選択して検索すると、今度は医療、介護、そして塾講師というのが多くなり、特に塾の教員の時給はそれなりに高いもので、一時は塾の先生をしようかとも思っていました。

 しかし塾の先生をするぐらいなら、現職の強みを生かして非常勤講師をやればいいという風に発想が変遷し、今の仕事になっています。様々な職業を取捨選択した上での決定ということで、私の場合はある意味特技を活かせたと言うことになります。

 ただこういった職探しの経験から、一般の方が50歳以上で転職するためには、相当な努力と知識、経験が必要だなと感じたことも確かです。

 新聞紙上では、企業トップの方針によりリストラ何千人と気楽に数字が書かれていますが、その対象になった人たちの生活を考えると、心が痛みます。

 人手が余っているなら、それを利用してなんか世の中の役に立つ、新しいことが出来ればいいのになあと思っていますが、もちろん何をすればいいのかは思いつきませんし、思いついたとしてもそれを実行するパワーや体力がないなあと感じてしまいます。 


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