ヨーロッパの消費税

消費増税やむなしでも、低所得者には複数税率を(2012.2.9)
 

 消費増税の話が盛り上がっていますが、今日の毎日新聞4面に、ヨーロッパの消費税は複数税率であるという記事が出ています。 以下毎日新聞掲載の表です。(内閣府資料より作成だそうです)

標準税率 食料品 書籍 医薬品 住宅購入
ドイツ 19.0 7.0 7.0 標準税率 非課税
フランス 19.6 5.5 5.5 2.1 標準税率
英国 20.0
スウェーデン 25.0 12.0 6.0 非課税

  この表を見ると、生きていくために必要な食料品に対する消費税は標準税率の半分程度です。また文化に関わる書籍類も半分程度、医薬品に至っては、ドイツは標準税率ですが、その他は0の国もあり、命についてしっかり考えているということだと思います。

 住宅購入については若干意識のばらつきがあるようで、日本のように人口密度が多い国とは考え方がことなるのかもしれません。

 いずれにせよ、生きていくのに必要食べ物、医療、家には税金を多くかけない、という思想があるように思います。

 それに対して日本は10%に上げる段階では、複数税率を導入しない方針ということで、その意図がよく分かりません。

 まあ少しでも税収を多くしようということだと思いますが、一方で一定所得以下の人には支払った税金の一部を戻したり、現金を給付したりする制度の導入を検討するようですが、制度をややこしくするだけのような気もします。

 しかも複数税率で何%と決まれば、その価格ははっきり分かりますが、年末になったらいくらか戻ってくる可能性があるよ、といわれても、これまでの政治の流れを見ていると、「本当かな。誤魔化されてるんじゃないの」という疑いが消えません。

 昨日も書きましたが、生活費が年間最低120万とすれば、消費税5%なら、実際に消費できる価格は114万円ちょっとです。しかしこれが10%になれば、消費できる額は109万円になります。

 一ヶ月になおすと4170円弱になりますが、例えば一ヶ月の支出が10万円だとして、それまでは9万5千円で何とか生活できていた人が、ある時点から9万円で生活しなさい、と言われるようなものです。

 しかし消費額が少ない家庭で、一ヶ月4000弱を節約することは、並大抵の努力では出来ないということを、分かってもらいたいですね。

 政治家を10人ぐらい連れてきて、一ヶ月10万円で数ヶ月暮らしてみれば実態が分かるのではないかなと思えます。
 
  
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