中味を審議しない増税国会

消費増税の国会審議を聞いて(2012.5.22)
 

 今日は通勤途中の車の中で国会中継を聞いていました。野党の質問が始まり、いよいよ議論が盛り上がるかなと思って聞いていたのですが、なんだか手続論ばかりで、肝心の話がされていないなあという感想を持ちました。

 民主党が政権を取るときに掲げたマニフェストと現状の法案の中味があまりに異なっているではないか、だから率直にそれを認めなさいとか、過去にこんな発言をしているのに今はこうゆう発言を発言に変化している。その理由を聞きたいとか、そのように変化したんならその変化を認めなさい、と迫っています。

 理屈の上では話はよく分かりますし、民主党の言っていることが、実際に政権運営を行ってみて徐々に変質していることも分かりますが、そこだけを責め立てて「認めろ」「どうして認めない」と追究する野党の姿勢には、あまり同調できないなと感じました。

 それに対して民主党側も、任期一杯までは消費税は上げないんだからマニフェスト違反にはならない、なんてことを手を変え品を変え言いつくろっているように思え、これはこれで、変質したことをさっさと認めて、「今本質的に大事なことはこれだ」と何故言えないのかなあと感じました。

 結局法案の入り口の所で、過去の発言をつつき回したり、過去のマニフェストとの矛盾点を追究するという事ばかりやっていますから、何故消費増税が必要なのか、なぜ5%なのか、そして今後5%アップだけで足りるのか、さらにその使い道はどうなるのか、我が家のような所得の低い層に対する軽減措置はどうなるのかと言う肝心な議論が置き去りにされています。

 唯一議論を深めていた政党は、共産党だけだったような気がします。(たまたま聞こえたのかもしれませんが)

 原発再稼働や年金問題もそうですが、常に手続論が先行し、「以前はこう言った」にもかかわらず今はこう言っている。どうしてか。なんてことばかり聞いていたのでは議論が深まらないのは明白です。

 今日は聞くに堪えないヤジは余り聞こえませんでしたが、こんな審議を長時間続けてもあまり意味がないなあと感じました。

 なお最後の質問で、大企業には税法上の数々の優遇策があるのに中小企業にはそういったものがない。にもかかわらず大企業は今後減税になり、一般庶民は消費税の形で増税になる、という話がありましたが、確かに変だなと思いました。

 利益を出している大企業にはもっと雇用確保を、と言うのが財務省の要望のようですが、それもほとんど実現されないまま、減税分が内部留保になっているという話を聞いて、民主党政権は国民のためと言いながら、国民から税金をとり、それを大企業の減税(内部留保)という形で回すのかなと言う疑いを持ってしまいました。 (政治は素人ですので勘違いもあるのかもしれません)
 
  
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