まだやりたいことがある?

人生の心残り(2016.10.2)

 若い時、思うとおりにならず、他人が予想外の活躍を見せるときがありました。仕事だけではなく、スポーツをやっていても、囲碁将棋のゲームをやっていても、自分が得意だと思っていた趣味の釣りや家庭菜園といった分野でもしかりです。

 そんな時、自分の気持ちを紛らわすためにどうしていたか?一つの方法ですが、「今に見ていろ、俺だって・・・」と、いつかは自分もそういったレベルに達すると信じて、日々わずかですが努力を続けていたような気がします。

 私は根性といった精神論はあまり好きではなく、必然的に必死になって人の2倍3倍も努力するということは嫌いです。ただその分、毎日少しずつ計画的に積み重ねるという方法が好きでした。

 その結果、教員となり、管理職にはなりませんでしたが、教務主任や進路指導主任も務め、まあ教員としてはそこそこ頑張ったかなという自負を持っています。

 そんな私が教員をやめて人生の残りが10〜20数年になったかなと思える今ごろになって、まだ早いという人がいるかもしれませんが、「人生の心残りは」ということを考える機会が増えました。

 人生のプロジェクトとして、これまで完遂できたことは「就職」「貯金」「退職金」「年金」「結婚」「子育て」「家の建築」等が大きな出来事です。

 そしてこれらは今現在ほぼすべて終了。残っていることは「自分自身の長寿」「より豊かな老後の生活」「息子の結婚もしくは自立」あたりでしょうか。

 そう考えると、今後私に万一のことがあったとき、まだ早い。「まだやりたいことがある」と悔いが残っていそうなことは、昔に比べるとずいぶん減ったなと感じます。

 その意味では、まだここで終わりというわけではありませんが、突然何かあっても、これ以上は余禄の世界だなと感じることが増えてきました。

 そうやって少し気持ちのゆとりを持って生活することができれば、逆に寿命ももう少し伸びるのではという気持ちになりつつあります。

 なんだか老成したおじいさんのような考え方ですが、日々平穏に生きるという心境に少し近づいたような気がします。


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