周到な準備

早期退職を実現するためには(2012.6.10)
  
 何十年も似たような仕事を続け、人間関係に疲れ、また仕事の進捗状況も思わしくないとき、結構多くの人が早期退職を考えると思います。

 会社側から辞めなさいと言われているわけではないので、この不況下では、ある意味贅沢な悩みであるとは思います。

 しかしそうは言っても精神的に追いつめられてきたり、健康上の問題を抱えていたり、家族の中に問題があったりすると段々気持ちが弱気になります。

 「もういいか、充分働いたよな」とか「これ以上働いたら自分の人生は終わりだ」なんていう感想を持っている人もいるかもしれません。

 しかししかし、それでも普通の人はなかなか早期退職には踏み切れないと思います。それは何十年も努めてきたキャリアを棒に振ることになり、住み慣れた社会から決別することになりそうだという恐怖感、そしてその後のライフスタイルが見えない、というのが大きな理由かなと思います。

 そんな中で、早期退職をするかしないか、という自分自身の最後の決断はいったいいつどこで下されるのか。

 もちろん退職願を出す期限もあると思います。これはその期限を守れば、ある程度の勧奨措置がとられ、若干退職金等のアップが望めるといういうものです。

 こういった規約について、私自身は早期退職を真面目に考え始めた50代の初め頃から関心を持って、規則がどうなっているかを調べていました。 (同期の人たちはそのような規則が存在することすら知らなかった頃です)

 つまり決断するにしろ、しないにしろ、ある一定程度の期限を区切って、ここまでには決断しなければならないという期日が存在すると言うことです。

 もちろんテレビドラマのように、気に入らない上司に退職願をたたきつけて格好良く職場を去るという方法もありますが、その場合はその後の人生がどうなるのか不安です。

 早期退職後も、それまで以上にきちんと充実した生活を送ろうと考えるならば、単なる感情の暴発で話を進めてはいけないことは明白です。

 正直なところ、早期退職は身の回りの現状把握、そして自分が所属している会社等の現状分析、さらには退職後の健康状態の維持と生計に必要な資金の確保、さらには年金生活に至るまでの将来計画、といった周到な準備(戦略)が必要な気がします。

 もちろん私の場合を振り返ってみると、周到なといえるほどの計画はなかったように思いますが、当時このまま仕事を続けたら仕事の内容はどうなるか、その時の自分の体力や精神状態の疲弊はどの程度進行するかという予測はしていました。

 さらに一方で、もしやめた場合、社会との接点はどうなるか、生計は維持できるかという不安も感じていて、その両者の間で綱引きが行われていたということです。 


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