最後の決断は自身の健康状態

早期退職を決意する最後のきっかけ(2012.6.14)
  
 夏休みに退職金や年金の試算を行い、さらにその後の家計の収支見通しをシミュレーションして、家計についてはなんとかもちこたえそうだ、という感触を得ました。

 しかしだからすぐに早期退職だ、という結論に至ったわけではありません。なぜなら、もし早期退職せずにそのまま仕事を続け収入を得たら、3年間で千何百万という収入がほぼ確実にあるわけです。

 ところが前回書いたように、早期退職をして仕事がなければ、今度は確実に1000万近く資産が減少するということが分かってきたわけです。

 つまり仕事を続ければ千何百万の収入があり、早期退職をすれば1000万近い資産の目減りがあると言うことで、その差は2千数百万になります。この差を心理的に許容できるのか、ということです。

 また、以前書いたように、同僚から見た私の評価や、実家の母親が気にする世間体、さらには息子自身が心配する家計、そして自分自身の中にもしかしたら生じるかもしれない挫折感や仕事を定年までやり遂げることが出来なかった不満、さらにはこれまで過ごしてきた生活からの決別、といった様々な要素により、そんな簡単に経済的なことだけでは決められないなという感覚がありました。

 しかし一方で退職願を提出する期限は決まっています。それを逃せば、場合によっては勧奨扱いがなくなり、退職金の一部が大きく減額されます。

 8月下旬から9月の始まりにかけてはかなり悩みました。しかし8月中は5分5分だった決心が、9月にはいると6分4分に退職方向に傾きました。主たる理由は自分の健康状態に自信が持てなくなりつつあったからです。

 一番大きなポイントは、もし自分がこのまま仕事を続け、その中で体調を崩し、万が一長期入院となった場合、高校生の息子への悪影響は計り知れないものがあるなと感じていたことです。

 曲がりなりにも経済的になんとかなるという見通しがついた時点で、生活は確保できる、後は自分自身の健康状態の確保だ、と言う方向に意識が変わっていったんだと思います。

 実は私自身健康への不安がひじょうに強いものがあります。小学生の頃から虚弱体質と言われて育ってきましたので、体力そのものにあまり自信がありません。

 そこへ加えて、私が大学生の頃、51歳の父親が心筋梗塞で急逝、さらにこのサイトを始めるきっかけにもなった私の妻が48歳で、これまた2年間の闘病生活後急逝。

 残された家族の悲哀は身に沁みています。そう考えると、せめて息子が成人するぐらいまでは、ともかく元気に暮らしていたい、という希望を強く感じていました。

 しかし現実の仕事を続ければ体調は間違いなく悪化するな、という予感がありましたので、徐々に早期退職の方向へ気持ちが切り替わっていきました。


表紙に戻る 早期退職の決意へ 退職希望「有」