実際に値上げ分を計算してみると

東電の値上げで電気料金はどのように変わるか(2012.5.14)
 
 我が家の現在(春先)の一ヶ月の使用電力は250kWhぐらいです。この使用電力で、今回の東電値上げ申請を計算するといくらぐらいになるのかというと120kWhまでは1kWhあたり0.74円上がるそうですから、120×0.74=88.8円。

 次に残りの130kWhについては、1kWhあたり2.30円上がるそうですから、130×2.30=299円。

 従って増える分の合計は88.8+299=387.8円となり、約400円の値上げとなります。たった400円じゃないかと考えることも出来ますが、現状の250kWhでの支払料金は6035円ですから、6.6%の値上げとなります。

 消費税を5%から10%にするということは、5%上がると言うことで、現在猛反発を受けています。しかし、今回の東電の値上げ額は、使用電力が平均以下の家庭であっても6.6%の増加となり、消費増税以上の値上げ幅です。

 従って、額の大きさではなく値上げ率で考えないといけないと思います。この値上げはそのまま通れば、東電は「値上げします」と宣言し、承認されただけで、約10%利益が増えるわけです。

 一方給料は頭打ち、または減額となっている企業も多くあり、なけなしの貯金につく利息は信じられないくらい低くなっています。そう考えると、この上げ幅が如何に大きいかと思わざるを得ません。

 ただ一方で電気が必要だと言うことは理解できますし、原油の価格が高騰しているので採算が合わないという理屈も分かるような気もします。(分かるようなという書き方は、どうしてこんな円高なのに原油が高くつくのか、という疑問を感じるからです)

 しかしスカイツリーでライトアップだなんて言う話を聞くと、本当に電気は足りないのか、という疑問を持ちます。昨年の4月頃計画停電になり、商店街に行くとあちこちで節電のため照明を減らしています、なんていう貼り紙が見られましたが、今はほとんど見られません。

 結局、使い出せばキリがないのであって、キリがないから経済の発展のために原発再稼働が必要だという論理になって、これだと永遠に原発を再稼働し、また新たに作らなければならないという発想にしかなりません。

 一方で、放射性廃棄物は相変わらず増える一方で、それをどのように処分して、そのコストがどのくらいかかるのかはほとんど明らかにされていません。

 今回の値上げがどうしても避けられないなら、値上げによって得たお金は、原発事故の補償か高騰している原油の上がった分の差額の補てん費用のみに使うと言うように枠をはめてくれると、多少納得出来るかなと思えますが、これまでの東電の経営陣の姿勢から考えるとどうも不信感が先に立ちます。


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