各種手当て、助成制度の活用

 日本という国が曲がりなりにも国家としての形態を整え、経済的に成長し、弱者に対する法整備もそれなりに整っているんだ、ということが父子家庭になってよく分かりました。

 我が家の場合は息子が中学2年の2月に母親を失い、その後中学3年の受験までは、私もフルタイムの勤務を続けていました。

 しかし、その1年間で私は心身共に疲弊し、日常的に体の不調を感じるようになり、ここにまとめているような経過をたどり、息子が中学を卒業し高校に入学した時点で早期退職に踏み切りました。

 早期退職前は、退職後の家計をどのように維持していくと言うことを中心に考えていたため、国や地方からの各種の助成制度があることは知っていましたが、その助成を受けるための基準はどのようなもので、申請方法はどうするのか、結果としていくらぐらい助成があるのか、ということはさっぱり分かりませんでした。

 そのため、自前の退職金とそれまでの貯金の総額を資産として、そこから貯金を取り崩しながら生活して、果たして家計は破綻しないか、ということばかりを考えていました。

 その後早期退職をして、少しばかり時間にゆとりが出来たので、県や市、学校からの各種の通知、広報にも目を配ることが出来るようになり、結果として退職2年目の今年はずいぶん貯金取り崩し額が減りました。

 それはそれでありがたいことなのですが、この1年間に感じたことが一つあります。それはこの手の助成制度は、自分から動かないと、自治体側は何もしないということです。

 つまり助成制度を受けるためには、どんな助成制度があるのかを、先ず自分が把握しなくてはいけないということです。もちろん本を買ってきて勉強しても良いのですが、最も簡単な方法は最寄りの市役所等に出向き、福祉関係の担当職員に相談することです。

 これによって、各市が独自に行っている助成制度にどんなものがあって、自分が対象になるのかどうかが分かります。それが分かれば、次は手続ですから、市の広報、県の広報、場合によっては政府から発信されるニュースに対してアンテナを高くして待ちかまえる必要があります。

 実際、今年受給することが出来るようになった「児童扶養手当」は、退職した昨年の夏に、県の公報に書かれていることを知り、今年の春に市役所に行って手続を行いました。(退職した年は前年度のフルタイム時の収入を基準にして受給の判定をされるので、普通は受給は不可です)

 また高等学校関係の助成制度は、息子が高校に入学後、学校から配布されるプリントをこまめにチェックして発見したものです。いずれの場合も、自分自身に探そうという意欲がなければ見つかりません。

 このあたりは、自治体側としては不親切にも思えますが、正直なところ各家庭の経済状態の実情まで把握している暇はないでしょうし、詳細に把握しているとなれば逆にプライバシーの問題にも発展しそうです。

 というわけで、早期退職をした場合や、期せずして父子家庭、母子家庭になってしまった場合は、自分から調べるという姿勢を持つ必要があるということを力説したいと思います。

 これらのことを念頭に置いて、この後少しずつまとめていく、個別の助成制度について読んでいただければと思います。


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