もし毎年1%ずつ受給額が減ったら

受給額が減額になったときの繰上の是非(2012.7.3)

 前回はいろいろ民主党の悪口を書きましたが、高校生の息子に言わせれば、「誰がやっても同じじゃん」、という言い方になり、父親よりも子供の方が政治に対して醒めている感じがあります。若者が選挙離れをする現実がよく分かります。

 今は高齢者がせっせと投票所に出かけていますが、高齢者がいなくなり、息子のように醒めた目で政治を見つめる若い世代が有権者となったとき、果たして投票率はどうなるんだろうかと不安になります。

 万が一国会議員が投票率20%ぐらいで選ばれるようになったら、それはもはや国民の代表者とは言えないような気もします。

 私の場合は民主党はもともとそれほど支持はしていませんでしたが、自民党からの政権交代を歓迎したい気持ちがあっただけに、結局自民党と同じだと分かった分、落胆も大きいように思います。

 さてそれはそれとして、現実には日々の生活がありますから、親から40億円も小遣いをもらえるような政治家の批判をしていてもしょうがないです。庶民は庶民なりに生き抜く知恵をもたねばなりません。

 というわけで再び年金の繰上問題ですが、基準の支給額が年々減っていったらどうなるのかというのを、分かる範囲でシミュレーションしてみました。

 結果ですが、個人的な計算では、基準額の減少が大きくなればなるほど、先にもらっておいた方が得だという結論になりました。

 つまり簡単に言えば、基準額が年60万円と決まっている段階で繰り上げ支給を行えば、、繰り上げた年数に応じて基準額は減額されるものの、その後支給額が減ると、先にもらっていた分が総額に大きく影響すると言うことです。

 しかしこの計算は一方で恐ろしい結果にもなりました。例えば毎年1%ずつ基準額が減少していくと、ごく普通に65歳から年金をもらったとき、80歳までの支給総額は960万円になるのに、減額されると897万円にしかなりません。

 さらに90歳まで生き延びると、減額なしの総額は1560万ですが、減額されると1437万となり100万以上が消えてしまいます。

 数字のマジックは恐ろしいなと思いますが、毎年1%ずつならたいしたことないだろうと思えても、それが積み重なると大きな数字になるようで、年金支給に関しては、こういった細かい数値で誤魔化されないようにしないといけないなと感じます。

 ちなみに1%ずつ減額されたとして、60歳繰上を申請すると、私の計算では75歳時点で支給総額は649.6万となり、一方繰上無しの場合は627万となります。

 損益分岐は77歳となり、減額されない場合に比べて1年大きな数字になりますので、要するに減額される率が大きくなればなるほど繰上が得になると言う結果になるわけです。 


表紙に戻る 年金 減額シミュレーション