遺族年金制度は矛盾だらけ?

子供が18歳になると遺族年金は停止(2012.7.12)

 老齢年金の繰上支給を行うべきかどうかを考えていたのですが、途中で話がずれてしまいました。実はもう1点考えていたことがありました。

 それは私自身が、万が一の事故や思っても見ない病気でこの世からいなくなったとき、本来もらえるべきであった年金はどうなるのか、ということです。

 要するに遺族年金ですが、妻がいれば話は簡単。妻が受給者となるみたいです。しかしこの制度には欠陥があって、私に万が一のことがあって妻が残れば妻は遺族年金を受け取ることが出来ますが、我が家のように妻に万が一の事があって父親が残っても、遺族年金はまったくもらえないというのが現行の制度です。

 つまり男ははたらくもの、そしてどちらかといえば先に亡くなることが前提になっている制度で、30年ぐらい前の日本社会をそのまま反映しているように思います。

 最近になってようやくこの制度の見直しを促す発言が出てきたようですが、実現するのは現在の政治の混迷状況ではまだまだ先のように思えます。

 この遺族年金ですが、では子供への規則はどうなっているかというと、子供の場合は18歳を越すと遺族年金の受給資格がなくなるみたいです。つまり親がいない子供は18歳になったら働いて生活費を稼げ、と言うわけです。

 これまた、高学歴社会と言いながら、なんともお粗末な制度だなと思いますが、これをそのまま我が家に適用すると、私が来年突如この世を去った場合、息子は18歳になっていますので、私がもらえるはずだった年金は一切受給資格がない、と言うことになります。

 つまり私が延々と支払ってきた年金原資は、我が家には一切利益をもたらさない、と言うことになってしまうわけです。

 18歳を越したら働けるんだから年金は必要ない、と言うのが基本的な考え方かもしれませんが、たとえばの話、大学生の子供が一人取り残されて、まったく収入がない状態で、授業料を支払いつつ生活していくことが可能なのか?

 もちろん遺産は多少ありますので我が家の場合は生活そのものは可能だと思いますが、母親の遺族年金も受給できず、30数年間支払った私の年金原資も消えてしまうことと、その恩恵が息子にまったくもたらされないと言うことに強い疑問を感じます。

 そう考えると、私の場合は少しでも早く多めに(繰上をして)年金をもらって、もし余るようならそれを息子への遺産として貯金しておいた方が良いなと考えるようになりました。

 そうやって後は少しでも私自身が心身共に健康な状態で長生きするというのが、年金を有効に活用する最大の方法かと思うようになってきました。


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