ひたすら働かせ
年金原資を減らさせない?

厚労省 年金改革に着手(2014.8.22)

 昨日の朝刊を読んでいて気になったことがもう一つ。それは「厚労省が年金改革に着手」したという記事です。

 「こりゃ大変なことになったなあ」と思いましたが、特に現役世代の方はどう感じているのでしょうか?今回の改訂の前提条件は、「老後も働くこと」だそうで、そのことによって保険料納付期間を延ばし、さらに受給開始年齢を希望によって遅らせることが出来るというのが基本になりそうです。

 つまり雑な言葉でまとめれば、働ける間はともかく休みなくひたすら働き続けてもらい、保険料をなるべく多く収めてもらう。

 一方で年金受給開始年齢を、現在は65歳から70歳としているのを、さらに75歳まで選択できるという制度に変えようといういうものです。

 当然繰り下げを希望すれば年金受給額はそれに応じて増えていくわけですが、そこに健康や寿命という要素が絡んできますから、話がややこしくなります。

 露骨な言葉で書けば、働ける間はともかく働いてもらい、それが出来なくなったら、早く退場してもらいたい、というのが、年金運営者側の本音かなという気もします。

 私自身、現在は非常勤講師を行っていますが、同じ年代の方で、すでに一部の年金を受給し、まったく働かずにいる方もいますし、一方でフルタイム教員と同じ仕事をしている方もいます。

 それぞれ、いろいろな家庭的な条件が絡んでの選択かなと思っていますが、60歳以降、本人の健康度と、こういった個々の家庭事情の格差はより大きく開いていくような気もします。

 ただ厚労省がわざわざこういった検討をしなければいけないという事態に追い込まれている背景は、やはり年金原資が今後も減少を続けると言う見通しが前提になっているような気がします。

 新聞紙上では、最初の部分でさりげなく「経済が順調な場合、・・・給付水準は将来も・・・50.6%を維持できる・・・」と書いてありますが、ここで最初に疑問を感じました。

 「経済が順調な場合」というのが、具体的に何を意味するのかさっぱり分からないからです。今ですら国の借金は増え続け、少子高齢化が叫ばれ、製造業の海外移転が活発化しているわけですから、今後「経済が順調」という条件は、限りなく厳しいようにも思えます。

 そしてそのことが分かっているから、厚労省はなんとか年金破綻を避けるために、出来るだけ長く働いてもらって保険金を納付してもらい、あとは多少報奨金?として、年金を上積みするものの、出来れば早くこの世から退場してもらい、年金原資の目減りを少しでも防ぎたいと思っているのではないかと邪推してしまいます。

 我が家の連れは46歳までは、私よりも体力があり、病気もほとんどしなかったのに、ある日突然厳しい病名を告げられ2年間の闘病生活後この世を去りました。

 当然仕事をしていた分の年金は消失。つまり納付だけして、見返りは何もナシと言うことです。まあそういった悲惨な例も含めて今の年金制度が出来上がっているのだとは思います。

 しかし、そういったことを知っているだけに、私自身は少しでも年金の恩恵を受けたいと思っているので、来年か再来年に受給の繰上げ申請をしようかと考えています。

 国は国で制度維持のために必死に努力をしていわけですが、自分は自分で自分の健康状態と資産について、将来の見通しを持たないといけないなと思っています。

  
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