使い込み後の補填は税金?

使途不明金24億円事件の後始末(2014.11.15)

 24億円の使途不明金問題はいろいろな意味で衝撃的です。着服したのは6400万円だと言うことですが、新聞やテレビの報道を聞いていると、実際に使ったのはもっとずっと多いように思えます。

 何でこれほどの金額が不正に引き出されていることに気がつかなかったのが不思議です。いずれ年金基金側の管理体制も問われることになるのではないでしょうか?

 しかし逮捕されたとはいえ、現状で被害金額が全額戻ってくることはあり得ないわけで、その分の補填はどうなるのか?補填されなければ、この基金を利用していた人たちの将来の年金が減額ということになりそうです。

 それを避けるためには、誰かが穴埋めしなければならないわけですが、年金基金を運営していた人たちの管理責任を追及しても、補填される額はタカが知れています。

 ということは、必然的に国が補填せざるを得ないと言うことになりますが、国が補填すると言うことは、我々一人一人の税金が使われると言うことで、たった一人の人間のために、国民全体が負担をしなければならないというのも、何とも不愉快な話です。

 とはいうものの、特定の個人がやらかしたということで責任を追及するホコ先がはっきりしていて、その分批判も先鋭化するような気もします。

 もちろん許される事件ではないことは分かっていますが、それを言うなら東京電力の汚染水対策を税金で行わなくてはいけなくなるかもしれない、というようなことにもっと敏感になる必要があるような気もします。

 また古くは社会保険庁の年金の使い込み問題もあったはずです。何だかよく分からないままに、うやむやで終わってしまったような気もしますが、使い込まれた分の穴埋めはどうなったのか、またその責任はどう追及されたのか、私には記憶がありません。

 それにしても不正に取得したお金の使い方が何とも悲しいです。元事務長ということですから、普段からそれなりの収入を得ていた人だと思います。

 それでも飽きたらずに最初はちょっとだけ、と言うのが徐々にエスカレート?。一度使い出したらあとはほとんど歯止めが効かなかったのでしょうか。精神のタガがはずれてしまい、旅行、女性、飲み食いに使ってしまったということでしょうか。

 しかも完璧に無くなって最後は知人にお金をせびっているわけですから、ともかく使いたい放題使い続けて破綻にいたったということで、計画性も全くなし。ある意味寂しい投げやりな人生です。

 しかし、もしかしたら同様の事は他の様々な年金事務所で行われている可能性もありそうです。こんな簡単に24億円ものお金が使途不明金になるなら、全国でまた気がついていない使途不明金がまだまだありそうです。

 食材の偽装問題同様、あちこちで似たようなことが行われている可能性もありそうで、このような横領のために真面目に掛け金を納付していた人の年金額が減らされ、税金が上がるのではたまったものではないなと感じます。
   
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