自分はどんな欲を持っているのか?

欲を満たす行動が人生を生き生きさせる?(2014.10.8)

 青色発光ダイオードでノーベル物理学賞という話題で朝からニュースは盛り上がっています。私も物理を勉強した人間の端くれとしてうれしく思いますが、「何で今頃?」という感想は持ちました。

 一方、地道にチャレンジすることは大事なんだなとも思われますが、それでも世界中で様々な分野にわたる数知れない研究が今も行われているはずで、その中で実際に実生活に役立つものは、本当に少ないはずです。

 ということは栄光の陰に、何十年も地道に研究したのに、一向に成果が出ないという研究もまた星の数ほどあるのだと思います

 それでも、「どうしてこうなるんだろう」「こうしたらどうか」という人間の知識欲は、金銭的に報われなくても継続するので、そこに科学の発展余地があるといえそうです。

 テレビでインタビューされている研究者と呼ばれる方たちの笑顔は素晴らしいもので、そこには精神的な力強さも含まれているような気がしました。

 こういった方たちは定年や年金生活なんてことはあまり意識せずに、いくつになっても研究に没頭するのだと思います。

 しかし私のような凡人の場合は、年金生活に入って、子育てが終わり、ある程度の自分の資産の推移の目処もつき、さて次は自由になって何をしよう?とつい考えてしまいます。

 生物学的には、子孫を残すという使命が終われば存在の必要性はなくなってしまうわけですが、人間の場合は脳の発達により、それ以外の欲が生まれ、それが生きる原動力になっています。

 もちろん上記の知識欲もそういった欲の一つだからこそ、そういった研究をしている人は生き生きしているのだと思われます。

 現役時代にはほとんど意識しなかった欲ですが、年金生活に入って読書量が増え、そのテーマを考えると、そのすべてが人間の欲を題材にしたものだということがよく分かります。

 以前も書いたと思いますが、老後の生活はこういった欲を満たすことに時間と労力を費やせる時期だなと感じるようになりました。ではいったいどんな欲が自分にあるのか?

 例えば金銭欲。使い道はともかく、もっともっと資産を増やしたいと考える人も多いと思いますが、私の場合は、気分的に無理せずお気楽に生活できる程度のお金があれば充分という心境になっています。

 知識欲のある人は、大学に行って勉強でしょうか。私もわずかながら知識欲はあるので、英会話の勉強はしたいと思っています。

 食欲。幸いにしてまだ味覚もしっかりしていて、アルコールも楽しめ、おいしいものを食べたいという欲はあるようなので、旅行にも気合が入ります。

 権力欲や、名誉欲はもとからあまり持ち合わせていませんが、年齢相応の物腰や身なりはある程度しっかりしたものにしたいなと最近になって思うようになりました。これは海外旅行で自分が旅先でどのように見られているかということを考えてから意識するようになりました。

 いずれにしろ人それぞれいろいろな欲があるわけですが、そういった欲がある間は生き生きと生きていられるということなのかなと思えます。


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