早期退職後はゆるゆると下山の気持ち

バンコクに来て、人生の山について考えています(2015.10.9)

 昨日からバンコクに来ています。老後の楽しみは、自分の時間を自由に使えること。そして健康で若干の余裕資金があれば、その資金の範囲でいろいろ楽しむことができまるということだと思います。

 しかし中には一生涯働かざるを得ない人もいると思うので、その意味では早期退職というハンデがあった割にはずいぶん優雅な生活ができて恵まれているなと感じています。

 しかし振り返ってみれば、何回も書いているように学生時代に父親を失い、「こりゃ遺憾」と思って、堅い職業?である教員となり、その後何とか正規教員で32年間過ごしたわけですが、基本的に結婚するまではほとんど贅沢という生活をしていません。

 これは、きちんと倹約して暮らさないと母親や妹を含めた三人家族が路頭に迷う可能性もあるからだと思っていたわけで、そのことが逆に幸いして少しずつ貯金が増えたように思います。

 また結婚してからは、ハワイ旅行に行くなどそこそこの贅沢を楽しめる環境になりましたが、それまでの倹約生活という意識は継続していて、旅費や息子の教育費が増えると同時に、私のレジャー費は減少していたことも事実です。

 幸いに40代後半までは、公務員ですからわずかずつですが給料も増えたので、これで生活に余裕が出た事も大きいです。

 一方、小さいころから虚弱児童と呼ばれて育った私は、自分なりに短命であろうと予想し、仕事も60歳の定年まで勤めあげることは体力的に無理だろうと30代ぐらいから感じていました。

 そのため40代になったころは、早期退職の可能性ということを強く意識して、さらに節約生活を行っていました。そこへ降ってわいたように起きた事件が妻の病気による他界。

 結局私の健康状態はそのことがなければ定年まで持ちこたえたかもしれませんが、これが妻を失ったことがきっかけになって体調不良となり、予想通り?早期退職となりました。

 実際に決断するまでは1年近い期間が必要でしたし、定年まで自分をごまかしながら務めていれば、今よりさらに資産は増えていたかなと思っていますが、逆に健康状態は今よりかなり悪くなっていたと思います。

 というわけで、人生60年もあれば、その中で予想もしない大きな事件が数回は起きるようです。ただそのたびに、なんとなく家族や友人、同僚の支えで、うまく切り抜けてきたような気持ちがあり、その結果が今のバンコク旅行の実現につながっているなと感じています。

 もちろんこの先まだ何かが突発的に起きる可能性もありますが、人生そのものの大きな山は越えたように感じ、あとはそこから周りの景色を楽しみながら、ゆるゆると山道を下っていく過程に入ったと思っています。

 そう考えると、やはり誰もが羨む「悠々自適」の生活が実現できているのだと思います。


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