旅行は老後の生きがいになるか

生物はDNAを運搬する乗り物?(2016.3.19)

 ハワイ滞在中です。早くも6日目になりますが、毎日午後に昼寝をしているせいか、あっという間に夜になります。

 今年のハワイは、20年ぐらい前のハワイのように、毎日貿易風が吹いてハワイらしいなと感じていますが、気温の方は妙に低くて、朝晩は20℃ぐらいです。

 そのせいか、道行く人も長袖を着ている人が多いです。私はアロハシャツを持ってきましたので、防寒のため?にそれを着ています。

 ハワイは相変わらずの物価高で、ラーメンが1200円ぐらいしますので、数年前に行ったオーストラリアのケアンズと同じだなと感じます。

 それでもホテルの稼働率も高いようで、やはり物価を除けば過ごしやすさと言う点で優れているんだろうなと感じます。

 一人旅なので、移動中や食事中には持参した本を読んでいます。旅行中は、そういった本の中で妙に気になる文章に出会うことがあります。日本で普通に生活しているときなら、気にせずに読み進めてしまうと思われます。

 今回気になったのは、「生物はDNAの乗り物である」という部分。つまりDNAそのものが存続、増殖するために生物と言う乗り物を作って移動し、拡散するという考えです。

 もちろDNAそのものにそういった意思があるとは思えませんが、我々はDNAに利用されていると考えると、その拡散のためにあちこち旅行に行きたくなるのではとつい考えてしまいます。

 この問題は、根源的には「何のために人は生きているのか」という、実に青臭い疑問にも通じるのですが、特に子孫を残すという時期を通り過ぎた生命が老化と言う段階を迎えたとき、生きる目的は何だろうかとつい考えてしまいます。

 「退職後は旅に出たい」と多くの人が希望しています。そして今私はその旅の真っただ中にいます。そんな中で「では、旅に出て何をしたいの?」と考えると、「おいしいものを食べ、美しい景色を眺め、欲しいものを買って、未知の体験をする」というようなありきたりの目的しか思いつきません。

 それで十分満足だと思える人はいいのですが、「本当にそうなんだろうか?」と考えると、若干の不安を感じます。そもそも「生きがい」なんてものは、日々生きていく自分を納得させるための幻想ではないかと思えることすらあります。

 とはいうものの、旅行そのものは楽しいですね。毎日どこに行こうか、何を食べようか、何をしようか、と考えながら動き回っていると、脳も活性化し、筋肉も鍛えられ、健康寿命は延びそうな気がします。

 そこにさらに旅の目的は?なんて面倒くさいことを考えることが間違っているのかもしれません。ただ老後の生きがいと言うのは、実に難しいテーマだということが徐々に分かってきたように思います。


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