退職時の貯蓄額はいくら必要か

退職時の貯蓄額と60歳以降の生活費(2012.3.6)

 本屋さんで経済雑誌をパラパラとめくっていたのですが、そこに退職時の貯蓄額は2000万を目標に、というタイトルが出ているのを見て、「ようやく現実的な貯蓄目標額が出てきたな」という感触を持ちました。

 これまでは夫婦で5000万とか書かれているものが多く、普通の家庭ではほとんど達成不可能な額を目標にする論調が多かったのですが、2000万なら、今の若い人でも計画的に貯蓄が出来れば何とかなりそうな気がします。

 ただし、60歳から65歳までをどう乗り越えるかが問題ですね。50代での生活をそのまま引きずって夫婦二人で60歳代に突入すると、この5年間で出費は2000万ぐらいになってしまうかもしれないな、というのが私の実感です。

 早期退職をして思ったことですが、日々の生活費は努力によって少しずつ減らすことは出来ますが、税金や保険料を減らすのは意外に厳しいと言うことです。

 「固定資産税」「車関係の維持費用」「私的保険」といったことは、生活費と関係なく必要になります。また 「国民年金保険料」は制度を知れば免除制度等が利用できますが、知らずに申請しなければある日突然請求が来ますから慌てて振り込んでしまうかもしれません。

 「地方税」(住民税)は退職時の翌年度にひじょうに高額な請求が来ます。(前年度の収入を元に計算するからです)

 こういった費用が高校生の息子との二人暮らしの我が家でも、年間50万近く必要になります。生活していくだけなら月々10数万。年間で150万前後でなんとかなりますが、上記の50万をプラスして、子供達が独り立ちをしていない場合は教育費を負担し、定年を記念してちょっと旅行にとか、たまには外食をなんて考えると、年間の出費はすぐに300万を越えてしまいます。

 ということは、これで5年間生活したら2000万あった貯蓄も残りは500万。65歳からは年金だけで暮らす、という生活が出来ればいいですが、医療費等の増加を考えると不安ではないでしょうか?

 現実の目標額として2000万という額は妥当だと思いますが、60歳以降の5年間の生活設計というか見通しを持っていないといけないんだろうなと感じています。

 つまり65歳以降の年金収入がいくらぐらいあって、それに対する支出がいくらぐらいになるかを考え、それで足りればOK、足りなければその分を現在の貯金に上乗せしてためるか、60〜65歳の時の生活費を切りつめるかのどちらかの選択になります。

 しかし30代、40代の方に65歳以降の生活を考えろと言うのも難しい要求だろうなあと思います。と言うことは、最初の条件である2000万に+アルファというものを加えて生活設計をするのが無難だろうなあと感じます。


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