株式投資再開後の失敗

年金運用10兆円ですが内訳は(2014.7.5) 

 再開して順調に利益が出ていた株式投資ですが、ここに来て「まあこのぐらいの価格で買えればいいか」と思って購入した銘柄が激しく下落。やはり「まあこんなもんでいいか」なんていう軽はずみな動機で売買を行ってはいけないなと反省しています。

 ちなみに買ったのは「アシックス」。上昇トレンドにあって、なおかつ超高齢化社会やウォーキングブーム、ランニングブームを考えて、今後も業績は伸びるだろうと判断して購入。

 実際業績は順調なので一時的な調整かなと思っていますが、小額とはいえ損失が出ると、結局それを切り捨てることが出来ず塩漬けになることも多く、この辺は素人投資家の悩ましい部分です。

 一方今日の新聞ではこのところの日本や世界の株高を反映して、公的年金運用益が10兆円という記事が出ています。収益率は8.64%だったそうで、13年度末の運用資産総額は126兆5771億円だそうです。

 この中で保有資産の割合は外国株式15.03%。国内株式15.88%。外国債券10.66%。国内債権53.43%となっていますが、その先にちょっと気になる記述が。

 13年6月に保有割合を見直し、国内債権を約6ポイント下げて他を増やしたと書かれています。さらに今年秋にもさらに同様に債権の比率を下げ、国内株式の割合を高める意向だそうです。

 どうやら株式相場が順調なので、投資の比率を引き上げるということのようですが、実際には13年度に株式投資の比率をすでに少し引き上げていたわけで、しかもその結果運用益が出たかと言うと、国内株式については前年度より1495億円の赤字だったということです。

 つまり運用益の大半は、外国株式の値上がりに依存していたということで、国内株式が順調に上がったと思われた13年度でも赤字であるなら、今後運用益を増やしても、さらに赤字になる可能性も大きいわけで、端に国内株式の運用額を増やせば利益が大きくなるという宣伝は間違いだと思われます。

 しかも、その記事の横には、日米の株高は金融緩和で市場に溢れたお金が、先日書いたように設備投資等の貸し出しに向かわず、結局株式市場に向かわざるを得ない背景があると書かれています。

 ここのところニューヨークダウは連日高値を更新しているようですが、日米共に金融緩和によってお金は市場に溢れているものの、それを有効に活用する手立てがなく、投資に向かわざるを得ないということのようです。

 しかし行き過ぎた金融緩和はいずれ引き締めざるを得ず、その際のショックはかなり大きいはずです。そのショックを和らげる為に、または急激な暴落を買い支えるために、秋以降に年金資金の株式投資額を増やそうとしているのではないかという疑いを持っています。

 つまり株式の暴落を防ぐための安全弁が年金資金であるということで、もしそうなれば、年金資金は大幅に減少。またしても責任問題が問われつつ、年金減額、受給年齢繰り下げ議論が再燃するのかなという不安を感じます。

 逆に言えば、余剰資金で株式投資を楽しめる当面の目処は10月ぐらいまでと、現段階では個人的に判断しているのですが、こういった考えを裏付ける経済的な知識はあまりありませんので、あくまでど素人の勘です。


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