退職後も働ける生活環境を維持する

老後に必要な生活資金は個人のライフスタイルで変化します(2013.12.9)

 夫婦2人で、極端に節約を意識せずに、毎日を淡々と生活するだけなら年間200万円ぐらいの生活費になりそうだと書きました。

 実際には何回も書いていますが、これに健康保険税や住民税、車の維持管理費等が加わって年40〜50万、生活費以外の出費があります。ということは年間240〜250万です。

 ただし昨日も書いたように、ひたすら淡々とした生活を続けることは凡人には難しいので、たまにはちょっと外食でとか、年に数回は温泉旅行へとか、壊れてしまった電気器具の突然の買い換えとか、DVDでも借りてこようかとか、コンサートにでも行ってみるか等々、それぞれいろいろですが何らかのレジャー費の出費を考えないと息が詰まります。

 もちろん、お金のかかる凝った趣味があれば、更に出費が嵩みます。私はひと頃毎月のように湘南海岸まで車で往復し、乗船料8千円ぐらいの釣り船に乗り、海釣りを楽しんでいましたが、日帰りでも交通費と合わせれば15000円ぐらい。前日にビジネスホテルに泊まれば、夜の食事も含めて総額で25000円ぐらい消費していました。

 フルタイム勤務時は、そのぐらいなら問題なく支払えたからですが、早朝のドライブが体に応えるようになり、さらに早期退職をしたことによって、こういった釣りも、たまに投げ釣りに行くぐらいでほとんど行かなくなりました。

 今考えると、この海釣り代だけで、年間20〜30万ぐらい消費していたかもしれません。さらに好きな旅行にも行っていたわけですから、かなりお気楽に消費していたと言わざるを得ません。

 それでもそれなりに貯金が出来たのは、やはりそれ以外の生活費が少なかったからかなとは思っています。

 話が逸れました。要するに夫婦2人で淡々と生活するなら年間250万。これに何らかの遊興費を加えると、その分がプラスされるので、余裕をもてば300万となります。

 私自身早期退職直前にシミュレーションをしたとき、早期退職後から60歳になるまでの3年間の支出は300×3=900万ぐらいになるだろうなと考えていましたが、ハワイ旅行や息子の教育費を含めると実際にその程度の額になっていたと思われます。

 ということは、これから早期退職を考えるご夫婦がいたとすると、57歳で早期退職し、65歳になるまでの8年間無収入で暮らすためには、300×8=2400万ぐらいの資金が必要だと言うことです。

 一方早期退職後もフルタイムではなく、何らかのパート等の仕事で気楽に?年間100万ぐらい稼ぐ事が出来れば、8年間で800万になりますので、必要な預貯金額は1600万に減ります。

 年に150万稼げれば、8年で1200万。必要な預貯金額は1200万。ただしいずれも65歳からは年金のみで暮らすということと、60歳以降も健康な体を維持し働き続けることができるという条件付きです。

 こうやって考えると、巷のマネー雑誌で、退職までに5000万が必要なんて書いてるのを見ると、それだけで内容が胡散臭く感じられます。「これはきっと投資信託の勧誘を行い手数料を儲けようという証券会社等のPRみたいなもんだな」と思ってみています。
   
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