将来を見据える力量

貧困老後、預貯金が底をつく恐怖(2015.9.13)

 今日の朝刊(日曜です)を見たら、今週は月曜から国会議事堂周辺でほぼ毎日デモが行なわれるようなので、今日予定してた出歩きは中止にしました。大変つまらないことですが、我が家から国会議事堂前まで、電車の運賃が往復1500円ぐらいかかります。

 当然ながら食費で考えれば1〜2日分に相当するので、都内に行くときはいつもかなりの決断を要します。もちろん海外旅行に行くときは、首都高を通ったり、場合によっては京成スカイライナーを使って成田まで移動していますから、それに比べれば少ない金額です。

 しかし海外に行くのと、都内の雰囲気を観察に行くのでは目的がまったく違い、後者の方がかなり大きな決断を要するような気がします。そう思って出かけるのを躊躇っている人もかなりいるのではないかと思います。

 今日は先ほど自宅近くのショッピングモールに行き、本屋さんで週刊誌の立ち読みをしてきたのですが(本屋さん、すいません)、新聞広告でも気になっていた「サンデー毎日」を手にとりました。

 気になっていたのは「貧困老後」という語句。「女性の半数、男性の3割、預貯金が底をつく恐怖」という題名がついています。私自身今の調子で海外旅行を80歳まで続け、車を買い替えたり家のリフォームを行なったり、息子が就職に失敗したり、私自身が何らかの高度医療が必要な病気になったりという条件が重なったら、預貯金が底をつく恐怖を実感するだろうなと思っています。

 だからこそ、頻繁に海外旅行を楽しむようになっている一方で、日常の生活をなるべく引き締め、冒頭に書いたように1500円の交通費も気にするという生活を送っています。

 例えば70歳時点で健康な体で貯金が500万あったとしても、その後毎年の赤字が50万ずつ続けば、その預貯金は10年でなくなりますので、80歳になったときどうなるのか?という恐怖感はものすごいものだと思います。

 サンデー毎日の記事では実際にそういったことが起こりつつある現状をレポートしているわけですが、特にそういった状況に陥りやすいのは、皮肉にも長寿長寿と喜ばれている女性に多いという現状は悲しいものです。

 確かに働いている期間が短かったり、離婚や死別と言う特別なことがあったり、さらに言えば先日からしつこく報道されている自然災害で影響を受けたりと、要因はさまざま。しかも自然災害の場合でも「まさか自分にこんなことが起きるなんて」と言いますが、実際この確率は年々高くなっています。

 昨日の地震にしても、たまたま小さかったから良かったのものの、その時に家屋が全壊でもしたら、私自身の老後の海外旅行満喫プランは壊滅し、生きるためだけの消費になりそうです。

 そういったことを普段から見越して保険等に加入していればいいわけですが、天災の場合は保険金が降りない等の制約があったり、そもそ余裕資金が無くて保険をかけていなかったりする場合もあるでしょうから、要するに今の日本は、誰もがあっという間に貧困老後に転落する可能性があると言うことです。

 そしてそれに輪をかける様に、政治が貧困。女性が活躍する社会とか、高齢者が働ける社会、地方創生と掛け声は立派ですが、実は誰もが死ぬまで働いてくれないと、税金が減り、権力者たちの潤いがなくなるということなのかなという気がしています。

 しかも働くことによってその人の暮らしが豊かになれば良いのですが、ほんの少しの収入でも医療保険や介護保険費用をたっぷり取られ、ちょっと消費すれ消費税と言う税金がかかるわけで、しかも軽減税率のどたばたを見れば分かるように、弱者を救済しようと言う姿勢は、今の自民党にはほとんど感じられません。

 さてどうするのか?先行きは暗澹たるものですが、そういった先が見えている人と見えていない人では、また今後の取り組みが違ってくると思います。要は個人個人が現状を知り、将来を見据える力を持たないとダメだと言うことだと思います。
   
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