自分で判断しない安全宣言

オスプレイがまた墜落(2012.6.15)

 米空軍の垂直離着陸輸送機オスプレイが、13日にまた墜落事故を起こしたようで、日本国内への配備計画が見かけ上ストップしました。

 これまでにも事故を起こしていた機体でしたが、米軍は安全性に問題ないと日本に伝え、岩国市で試験飛行を行う直前の出来事です。 (この後試験飛行は日本全土で行うことが分かり、またまたびっくりです)

 個人的にこの機体を見ると、プロペラが水平になったり垂直になったりして、滑走路無しで自由に飛び上がる事が出来、離陸後はヘリコプターのように飛んだり、通常の飛行機のように飛んだり出来る構造なんだろうなあと思えます。

 しかしそのような、両方の性質を併せ持ったことにより、機体の構造が複雑になり、さらにまたその操縦もややこしいことになっているのではないかと想像できます。(素人目で見てもプロペラが斜めに傾いている時、主翼との関係で機体の安定を保つのがひじょうに難しいのではないかと思えます)

 日本政府は、これまで米軍の「安全である」という書類を信じて導入しようとしていたわけですから、その書類を根拠に安全だと宣言して導入を進めてきた方は、「やはり危険性があった」と素直に地元に伝え、陳謝すべきではないかと思います

 そもそも米軍が安全であるとしている説明の主旨は、「機体には不具合はない」ということのようですが、もしそれを信じるなら事故原因は人為的なものであると判断できます。

 しかしそういった操作ミスもなかったとするならば、本来事故は起こりえないはずです。それが現実に何回も起きているわけですから、機体か操縦者側に問題があるのは明らかです。

 にもかかわらず日本政府は「安全である」という米軍側の説明を鵜呑みにして、沖縄や岩国にこれを押しつけようとしています。

 誰かが安全だと宣言したから、実際に事故が起きていても、それには目をつぶり書類だけを信じる。または誰かが安全だと宣言しているから安全なんだ、自分では判断せずに責任を転嫁する構図は、大飯原発再稼働問題とよく似ています。

 安全委員会や保安院が安全だと言った。それを受けて政府の有識者会議が安全だと宣言し、首相もそれを受けて安全だと言った。さらにその言葉を信じて?地元の首長が、あの人達が安全だと言っているのだから安全であると認め、再稼働を容認、というのとまったく同じです。

 うわべは国民のためとか、地元の人たちのため等聞こえの良いことを言い、何かあったら責任をとります、と言っても、今回の東京電力の事故が起きても、数人の幹部がやめただけで、私財を投げ打って被害を受けた人の補償費用を確保した、なんて言う役員や国会議員は一人もいません。

 それが分かっているのに、何かあったら全責任を負います、なんて軽々しく言われても、説得力はまったくないなあと感じています。

 そんな政府が今度は税と保障の一体改革と言いながら、保障の部分はほとんど棚上げして、税金だけを上げようという動きになっています。では、ここで言う「一体」とは何なんだと思ってしまいます。

 最初はバランス感覚のある政権なのかなと思ってみていましたが、正直まったく間違った見方でした。これは早々に解散してもらった方が良いな、と最近思うようになってきました。この政権には政治を任せたくない、と感じています。


表紙に戻る 政治の動き 暫定的な再稼動