物価は上がっていませんが
それ以上に給料が下がっています

消費者物価指数が四ヶ月連続で下落(2012.9.30)

 土曜日の新聞の片隅に、8月の消費者物価指数が0.3%下落したという記事が出ていました。ほんの15行ぐらいの小さな記事なので見逃した方も多いかもしれません。

 消費者物価指数(Consumer Price Index 略してCPI)ですが、消費者が実際に購入する段階での、商品の小売価格の変動を表す指数だそうです。

 とうことは今回の0.3%下落という数値は、8月当初に10000円で買えたものが、8月の終わりには03%すなわち30円価格が下がって9970円で買えるようになったということだと思います。

 ちなみに物価と一口で言っても、食べ物やら家電製品やら、いろいろなものが対象になりますので、この物価指数も三種類あるみたいですね。全然知りませんでした。

 通常の指数はすべてのものですが、それ以外にコア指数というものがあり、これは気候等の季節的要因による変動が大きい生鮮食品を除いたものだそうです。もしかすると、この指数が我々の生活領域での物価に近いかもしれません。

 また食料やエネルギーも除いたものをコアコア指数と呼ぶそうです。これはガソリン等のエネルギー料金が大きく変動するために導入されたようです。

 で、今回は8月分の変動が出ていたわけですが、当然年間の指数も存在し、その推移もグラフとなっています。これを見ると一目瞭然ですが、先ず1974〜1975年頃に鋭角的な山が出来ています。指数はなんと23%。

 10000円だったものが1年で12000円を越してしまうと言う恐ろしい物価高です。このグラフを見て、はっと思い出したのが「狂乱物価」という語句です。調べてみるとやはりこの時に使われた語句でした。いわゆる第一次オイルショックで、店頭からトイレットペーパーが消えたときです。

 しかしその後の指数はすぐに9%ぐらいに落ち込み、バブル崩壊の1990年前後までは0〜3%で推移しています。つまりこの間少しずつですが、物価は上がり続けたということです。

 そしてバブルの影響が顕著になり、日本は不況になった、10年は回復しないと言われてから(実際には20年以上経った今でも不況ですが)、途中景気刺激対策で多少の変動はあるものの、基本的には0%の前後をフラフラしています。

 つまりこの15年ぐらいは、物価はほとんど上がっていないということです。特に200年前後の数年間と2009年ぐらいからこの指数はマイナスに転じていますので、この時期はいわゆるデフレという事になるのかもしれません。

 ただ極端なデフレにも、極端な物価高にもならない、良く言えばうまくコントロールされている、悪く言えば、ある意味生ぬるい経済状態が続いているわけで、若い人たちにとっては真綿で首を絞められるような閉塞感の漂う経済状態であるとも言えそうです。

 物価というのは需要と供給の関係だと、40年以上前に教えられた記憶がありますが、今はまさに少子高齢化のため需要が減っている状態だと言えそうです。


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