官民格差があるなら、民間の引き上げを

国家公務員退職金14.9%引き下げ(2012.11.3)

 予てより決まっていた?国家公務員の退職金引き下げ法案が閣議決定されたという記事が出ています。たしか8月頃一度そのような話題が出たことがあったと記憶しているのですが、それと何が違うのかよく分かりません。

 内容は国家公務員の退職金を14.9%引き下げて官民格差をなくすそうですが、その額が403万。これを1年半かけて減らすそうです。

 薄々分かっていたことだとは思いますが、やはり現実に来年の3月に退職される方の退職金が数百万減ってしまえば、老後の予定は大きく変化しそうです。

 幸か不幸か、来年3月に退職する方は共済年金をすぐにもらえますので、退職金を減らされても生活に困ると言うことはないと思いますが、たとえば退職金の一部で住宅ローンを返済しようと考えていた人はショックだと思います。

 ということはいっそ法案が通る2012年12月に早期退職?なんてことを考える人もいるかもしれません。一ヶ月の給料を50万としても1〜3月まで働いて150万。三ヶ月働いて150万かせいで、その間に法案が通ったら数百万退職金が減額、というのはどうも理不尽な気がします。

 たぶんそういった逆転現象みたいな事が起きないような救済処置もあるのかなと思えますが、いずれにしても400万は大きい。

 再来年の3月に退職予定の人はもっとショックですね。来年度1年間働いて800〜900万ぐらいの税込み年収?しかし1年間働いて法案が通れば400万減額。金額が大きいので、その不合理さも際だつような気がします。

 そしてこういった動きは、次に地方公務員にも波及するでしょうから、皮肉めいた言い方ですが、先にやめた方が逃げ得、なんてことまで考えてしまいます。

 しかも給料は頭打ち、退職金は減額、年金をもらえる年齢はどんどん高くなり、税金は増え、社会補償費の負担も増え、公共料金が値上がりする、となると、生活費はどんどん切りつめざるを得ません。

 それでも民間に較べれば優遇されているし、年金も多い、という批判はあるでしょうし、退職金があるだけましだ、と中小零細企業で働いている人は言うかも知れません。(我が家の妹がそのような環境ですからよく分かります)

 官民格差があるからやむを得ない、という言い分はなんとなく分かったような気もしますが、逆に民間を公務員の水準まで引き上げる、というような発想はないのかなとも思います。

 このまま進めば、国家公務員の収入が減り、それが地方に波及し、さらに消費動向が低迷し、そのため物が売れない。しわ寄せは中小企業にいき、民間の給与も減額。すると再び官民格差が生じるので、公務員の収入を減額、というような、負の連鎖が起こり、どんどん家計が圧迫、消費は伸びない、という結果になりそうです。

 5年、10年後日本はどうなっているのか?暗闇の中を手探りで進んでいる感じです。国会議員の皆さんも、正直なところ日本経済をどうやったら立て直せるのか、という展望がないので、具体的な案で討論をするということが出来ないのかなと感じています。


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