輸入品価格が上がれば
いずれ物価に転嫁されるはず

急激な円安は、夏以降に物価高を招くかも(2013.4.8)

 ものすごい勢いで円安になっています。先週末は97円台だったのが、今日は98円台。円安だ、この機会に何か出来ることはないか。FXはどうだろう?海外輸出企業ファンドみたいなものはあるのかな、と考え始めている人またはすでにそれを実行してそれなりの利益を得ている人も多いのかなと思います。

 しかし小心者の私は、みんなが買い終わって後でようやく「ちょっと出遅れたかな」と思いつつ投資を始め、それでもタイミングが良ければ、ほんのわずかな利益を得て喜び、タイミングが悪いと買ったところがピークで後はズルズル落ちるだけ、なんて言うことを繰り返し、投資は自分には向かないと思うようになっています。

 要は素早く冷静な決断力が必要なわけですが、手持ちの資金が生活費だとそんな簡単に決断できるわけもなく、結局いつも遅れをとってしまうわけです。

 とまあ個人的な事はそれでいいのですが、これほど急激に円安が進むと言うことは、今後夏休みを越したぐらいから、輸入品は一気に価格が上がってくる可能性があるなと予想しています。

 今はたぶん2012年末にあらかじめ先を見越した為替レートで契約した物品が輸入されているわけですが、今後その契約期間が切れるに従って、様々な輸入品目の価格が上がるような気がします。

 それが阿部政権の物価高演出の目標だと言われればそれまでですが、困るのは私のような年金生活を始めたばかりで、それ以外の収入の道を考えていなかった人たちだと思います。またパートや派遣労働で、それほど簡単に賃金が上がらない人たちにとっても深刻な問題となりそうです。

 そう思って、先ず日本の食糧自給率で低いもの(10%前後)を調べてみると、一番低いのが大豆。と言うことは今後大豆製品である「もやし」「油」「枝豆」「納豆」「味噌」「醤油」「豆腐」「厚揚げ」等の値段が徐々に上がっていくと言うことになりそうです。

 次が。「パン」「ケーキ」「うどん等の麺類」「中華麺類」「パスタ」「菓子類」と言ったものが直接的に使われているもので、間接的に考えると、カツやフライ、天ぷら、お好み焼き、チジミ等でも使われています。

 またトウモロコシ等はほとんど輸入ですから、それにまつわる油脂類(これは大豆からの油脂類も含む)自給率が低いです。

 また砂糖の自給率も26%と低いです。その他に目に付くものとしては肉類(すでにスーパーではカナダ産、アメリカさんの牛肉、豚肉、ブラジル産の鶏肉と言ったものが目に付いています)が50%前後。

 魚介類も50%前後です。最近は魚が穫れた場所が銘記されているので、分かりやすく思っていますが、海外から鮮度の良い状態で運搬してくるためにどのような加工技術が使われ、その過程でどの程度の添加物が加えられているのか、アトピー持ちの私はちょっと心配しています。 

 こうやってみてくると、私自身が日常的に食べているもののかなりの部分に輸入品が入っていて、それらが夏以降値上げになる可能性があると予想しています。

 また他にも原油価格の上昇がガソリンだけでなく、プラスチック製品の価格上昇を促す可能性もあり、鉄やアルミと言った金属製品から作られる車や建築資材の価格もあがりそうです。

 こういった様々な輸入品価格の上昇が、夏以降実際の食料品や生産品にどの暗い影響を及ぼすのか、たぶん先見の明があるマスコミあたりで今必死にシミュレーションをしているのではないかと思いますが、庶民の対策として、自分自身の給料が上がるまでどのように凌ぐかということを考えるのが急務であるように思えてきました。


表紙に戻る 政治の動き(2) 3年後の物価