最後は荒療治で国の進路が決まる?

今後の日本を考える書籍を読んで考えたこと(2013.8.14)

 昨日自分で書いた記事が気になって、本屋さんに行き日本の将来をいわゆる識者と言われている人たちがどのように捉えているかを見てきました。

 立ち読みですから細かいことは分かりませんが、大別して考え方は二分されているように感じました。すなわちアベノミクスをもてはやす論調で書かれた本。これらは結果的に経済が拡大し、株高が続き、日本は立ち直るというもの。

 しかし現在抱えている1000兆円もの借金をどのように返済していくかというようなことは書かれておらず、要するに読者の期待である「日本経済は再生する」という願いを、うまく文章にまとめているだけだ、という感想を持ちました。

 人間誰しも不愉快なことは見たくありません。阿部政権に変わり、円安株高が演出され、さらにマスコミは高額商品が売れていると煽っています。「なるほど、ものが売れてきたんだ。これなら経済も回復するだろう」とつい思いたくなります。その期待に答えるような記述をすれば、その本も売れると言うことなのかなと感じました。

 一方、すでにお分かりのことと思いますが、それと対極をなすのが、「このままでは駄目だ」という論調の書籍。幸いなことに、こういった書籍も自由に販売されているように見えます。

 内容ははっきり言って堅苦しい。ただ私は理系の人間なので、今現実に分かっている内容から推論することを好みます。はっきりしているのは、今後何年続くか分かりませんが、少子高齢化の傾向は間違いありません。

 総務省の統計局のページに「人口ピラミッド」が出ています。面白いのは2050年までの予測値も出ていることです。2050年は、今から37年後ですが、少子高齢化の改善はまったくなしです。

 この2050年のグラフの傾きを、下方に延長していくと、単純に見て、生まれる人数は2100年頃にひたすらゼロに近づきます。つまり100年後の日本では、日本人がほとんど生まれていないということになり、そうなるとさらにその50年後には働き手がほとんどいなくなるので、年金制度は崩壊します。

 もう一つの客観的な事実は国家の借金です。当然ながらそこに至る仮定で、毎年のように何兆円もの国家予算の不足額が生じますから(今年の借金は50兆円?ぐらい) 10年経てば今より500兆円借金が増えて1500兆円になっています。

 だからこそ経済を活性化しなければいけないということなのかもしれませんが、日本の科学技術力や経済力は、すでに他のアジア諸国に抜かれている、と書いてある書籍も多く存在し、実際今の電気産業界を見ていても、厳しそうだなと言うのが見えています。

 従って経済の活性化にも限界がある。ましてや人口が減れば経済規模そのものも小さくなります。

 となると、今後こういった流れを避ける方法があるのか?株が上がればこの問題は解決するのか?と考えると、そんな単純なものではないだろう」という気がします。

 そう考えていくと、結論は多くの書籍が指摘しているように「荒療治しかない」と言うことになりそうですが、ではどんな荒療治が可能なのか。その場合庶民にはどのようなしわ寄せがいくのか?

 単純に考えると、ひたすら増税、そしてお荷物になっている社会保障費の減額にいきつくように思います。そんな中で、今度は個人レベルで何が出来るのか?私はともかく息子のために真剣に考えないといけないなと思っています。


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