低賃金労働とセール品

冷凍食品への農薬混入と日本経済の先行き(2014.1.27)

 冷凍食品への農薬混入事件で容疑者となる人がつかまったというニュースが出ていました。ただ容疑者ですからまだ犯人と決まったわけではないと思っています。

 とはいうものの、本人は「覚えていない」と言っているそうですから、「怪しい」と思われてもしょうがないと思います。ただNHKのニュースでは、「本人が覚えていない」=「否認」としていましたので、ちょっと違和感がありました。

 否認というのは「やっていない」という意味であって、「覚えていない」とはちょっとニュアンスが違うような気がします。

 えん罪に繋がらなければいいなと思う部分もあるのですが、混入した時間帯で働いていたとか、混入できそうな場所にいたとか、所持品から農薬が検出されたということを考えると、状況証拠は明白というようにも思えます。

 一方上司のコメントは「リーダー格の働き手だった」という賞賛?のニュアンスが含まれていたのに、同僚と思われる人のコメントは「給料に不満を持っていた」とのことで、一人の人間に対する見方は立場によってずいぶん変わるんだなと感じました。

 ではどちらを信じるか?と言われれば、一般的に身近な存在である同僚の言葉を信じるのではないでしょうか。

 さらに、「そりゃ厳しいな」と思ったのが、この工場で働いている方の年収が200万と聞いたときです。これだと時給1000円で8時間働いて8000円。

 これを週休2日で20日間とすると16万。年間で192万というような計算になりそうですが、これだけで家族を養うのはかなり厳しいはずです。

 従って、給料に不満を持つのは当たり前だろうなと言う気もしますが、その不満が農薬混入に向けられたのだとしたら消費者はたまったもんではありません。

 ただ我々が普段目にする冷凍食品5割引きセールなんていうのは、こういった低賃金の方々の努力によるものだと言うことは認識できました。

 安倍総理はインドに行って、またまたODAで2000億円の大判振る舞い。

 まあ確かに今後のインドとの関係を考えれば必要だ、と言われればそれまでですし、円借款ですからいずれ返還されると考えれば良いのかもしれませんが、どうもサンタクロースのようにあちこちにお金をばらまいている印象が強いです。

 一方為替は急激な円高。株価は現時点で380円の大幅下落。株価を頼りに景気回復をしていると宣言していた人たちは、ちょっと困ったことになっているのではないでしょうか?

 一時期は16000円を越えていたのに、今日は15000円を切るかもしれません。いったん弱気になると一斉に弱気になるのが投資家心理です。さてどうなるか?と思ったら、これを書いている内に15000円を切りました。


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