高齢者の資産を若者に?

50年後に人口1億人を維持と言う数値目標が出ました(2014.5.15)

 先日今の人口減が続くとあちこちの自治体が消滅すると言うニュースがありました。大変ことになったなあと思っていました。その後今度は5月13日に政府の専門調査会が、我々の実生活に大きく影響すると思われる数値目標を公表しています。

 記事の見出しは「日本の人口、50年後も1億人維持へ 政府が初の数値、経済財政諮問会議に提出」というものです。

 内容ですが、先ず現状分析。現在の出生率が回復しない場合、人口は2060年に8700万人まで減少する見通しだそうです。当然ながら、この間子どもは減り続け、高齢者が増えるという図式はさらにはっきりします。

 こういった予想が自治体消滅の根拠となっていると思われますが、そこでどうするかというのが今回の記事の趣旨です。

 目標値ですが、50年後でも人口1億人を維持するには、2030年までに出生率を2.07まで回復させ安定させる必要があると書かれています。

 2030年と言えばあと16年しかありません。それまでに1.3〜1.4に低迷している数値を引き上げるための方策を考える必要があるわけですが、記事では「これまでの延長線上にない少子高齢化対策が必要」と強調しています。

 問題はこれまでの延長線上にない対策とはいったい何か?ということです。ある意味ようやく人口減に対する危機的な状況が政府の間にも浸透してきたのかなという感想を持ちましたが、とにかく抜本的な対策を先延ばしにしてきたため、最後の最後の土壇場になって突然大きく政策の流れが変わる可能性があります。

 国と言う大きな組織を動かすわけですからやむをえない部分もあるのかなと思っていますが、ではこれから行える少子化対策の具体的方策は何?と考えて、ネットの記事も参考にしているのですが、例えば

・ 第3子以降の傾斜支援

・ 労働力としての健康な高齢者の活用

・ 70歳までを新生産年齢人口として働き手としてとらえ直す

 なんてことが書かれています。

 このことをさらに深く追求すると、要するに高齢者にはもっと働いてもらい、社会保障費を減らし、さらに年金等の受給年齢を繰り下げたり、金額を減らしたりして、少しでも余剰資金を作り出し、それを子どもたちの成長戦略に充当するということかなと思います。

 理屈としては良く分かりますが、ということは、今後企業等で働く若者は、成人してからサラリーマン生活を50年間続けることが求められるわけです。

 またこれ以外にも、「これまでの延長線上にない対策」と書かれている以上、庶民が思いつかないような負担が高齢者に押し寄せる可能性もあるなと考えられます。

 要するにいかに高齢者が持っている資産を、子どもたちに配分するかと言う問題かなと言う気がしていますので、相続税の更なるアップや介護保険料のアップ、他にもまったく新しい税制なんかが提唱される可能性が出てきたなと感じました。

 ともあれ、数値目標は16年後ですから、ちょうど私が高齢者になっていく時と一致しますので、強い関心を持たざるを得ません。


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