平均寿命が延びると共に

子どもっぽい大人が増えている?(2014.7.6)

 私は、当時としては珍しかったのですが、幼児の頃から喘息症状がひどく、夜発作が起きると苦しくて寝ていられないという状態が何回もありました。

 その頃は都内に住んでいましたので、両親は当時問題になっていた大気汚染にも原因があるのではと考え、小学校1年生の頃、半年間学校を休み、祖父祖母のいる石川県の田舎で過ごしました。

 その結果、空気や水がきれいで、学校に行くこともなく、ただひたすら野山で遊ぶということを繰り返し、体力もついたのでしょうか、喘息症状が多少軽くなり、再び都内へ。

 従って、この半年間は祖父祖母に育てられたと言ってもよいと思います。当然ながら田舎のおじいさんおばあさんの家ですから、昔の家長制度みたいなものをかたくなに信じていました。

 そんな環境で、祖父が話していた言葉の中に「元服」(げんぷく)という言葉がありました。これは男子が成人に達したことを示すための儀式で、祖父は当時6歳の私に向かって「15歳になれば元服を行って一人前だ」とよく言っていました。

 あらためてウィキペディアで調べると、奈良時代以降の通過儀礼の一つで、対象は12〜16歳になっているようです。要するに、この年齢を通過して、元服という儀式を行うと、それ以降は一人前の大人として扱われるということで、成人式のような意味合いを持っているのかなと想像しています。

 今この年齢をみると、「ええ〜?」と思うかもしれませんが、当時の平均寿命を見てみると40歳ぐらいですから、このぐらいの年齢で独り立ちしてもらわないと生活が成り立たない状況があったのかもしれません。

 しかし現在は平均寿命が80歳を越えていますので、ほぼ2倍。私は学校現場で働いていますから、働き始めた35年ぐらい前の子どもたちと、今の子どもたちを比べても「幼児化現象」が強くなっているなと感じています。

 つまり平均寿命40歳で15歳が成人年齢なら、80歳なら単純計算で現代の成人年齢は30歳と考えることも出来る、ということで、要するに現代社会では35歳ぐらいではまだ子どもだと思えることがあるということです。

 何でこんなことを書いているかと言うと、昨今の都議会や国会での、庶民の代表者とも思える議員さんのヤジが、ひじょうに品格を欠いているなと思っていたからです。つまり議員さんも幼児化しているということです。

 そう思っていたら、兵庫県の県議が、政務活動費の使途を正されて号泣という記事があり、昨日はその号泣してる現場をテレビで目撃。愕然としました。スーパーでお菓子を買ってもらえなかった幼児が泣きわめいているのとまったく同じ様子です。

 「いったいどうしちゃったんだろう?」と感じるシニア層は多いのではないでしょうか?また議員さんとは関係ありませんが、体に異常が起きることを分かっていながら脱法ドラッグを摂取して交通事故、というのも体は大人、精神は子どもであるかのような印象を受けました。

 他人事ではなく、私自身もしかしたら昔の60代に比べると、精神的に弱い部分があるのかなと思えますが、昨今の世相を見ていると、一昔前の大人ではありえなかったような、子どもじみた犯罪も増えているように思います。

 平均寿命が伸びたのは良いことなのかもしれませんが、子どもっぽい大人が増えていて、そんな人たちが国や県を動かしているかと思うと不安です。


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