年金減額、物価上昇で老後の家計は?

物価上昇2%を維持したら、庶民の生活は破綻!(2014.11.23)

 金曜日に職場に行ったら、来年度の非常勤講師の希望調査用紙が渡されました。この用紙に記入して提出すると、来年4月以降に非常勤講師の職に就ける場合があります。もし提出しなければ、当然希望なしと判断されて、仕事の依頼は公的にはどこからも来ません。

 というわけで、来年度の希望を出すかどうかという選択を、あと一週間ぐらいで決めなくてはいけない状況になっています。

 ただ以前も書きましたが、事情が許せば来年以降は完全フリーとなり、一部の年金+ネットの副収入でなんとか暮らせないかと思っていました。

 しかしこのところの円安傾向を見ていると、何も働かずに物価だけが上がってしまうと、私の好きな海外旅行に行く機会もどんどん奪われるなと感じています。

 一方で、体力がなくなるまで働き続ければ、それなりの暮らしは維持できると思いますが、今度は年齢と共に体力が落ちますから、徐々に海外旅行に行く機会が失われるように思います。

 さてどうするか?ここのところ気になっていひとことがあります。それは日銀の黒田総裁の発言。明確な言葉遣いは忘れましたが、「原油価格の下落により、物価が下がってもらっては困る。日銀としては物価上昇目標2%に向けて努力する」というような内容だったと思います。

 私の感覚では、原油価格が下がれば物価も下がり暮らしは楽になって良いこと尽くめのように思われたのですが、日本という国を大きな視野で眺めると、何が何でも物価を上げないといけない、と日本のトップは考えているんだということがよく分かりました。

 個人的には、デフレ脱却がそんなに大事なことなのか?インフレになればいいのか、という気がしないでもないのですが、トップがそう言っている以上、今後毎年のように物価が上がることも想定せざるを得ません。

 しかもその目標が2%ということならば、今家計費で年間200万円を消費している人は、10年後には244万ぐらいの価格になり、20年後に、今と同じ生活を維持するためには約300万円の支出が必要になります。

 
 もし物価変動がなければ20年間で4000万円の収入があれば良いことになりますが、毎年2%ずつ上昇していくと、その合計額は5000万近くになり、1000万円の増加となります。

 当然ながら年齢と共に消費する金額も減少するはずですから(医療費は除いて)、計算どおり1000万足りなくなるということにはならないと思いますが、たった20年で1000万の差は大きいです。

 こういった漠然とした不安がある上に、年金は減額とか、繰り下げ受給とか、年金原資が枯渇する恐れなんていう話しが出てきますので、ますます不安に拍車がかかります。

 そうなると、子育て支援とか低所得者給付といったお金も、給付は受けてもそれがそのまま消費に繋がることはなく、貯蓄に回ってしまう可能性が大きいなと思います。

 つまりお金が国の中を回らないという状況です。今の安倍政権の政策は、庶民に対しては苦しいときだけどあと少し我慢すれば良くなると言いつづけて負担を回し、一方で富裕層や大企業には株や投資で儲けてくださいと言っているように思えてしょうがないです。

 しかし、そうでもしないと国が回らないという差し迫った状況なのかもしれませんので、すべてその方向が間違っていると否定するのもまた難しい気がしています。

 ただ、老後の生活に不安を抱えたまま、この先平均余命がどんどん伸びたら、毎日のように起きている鉄道事故が、さらに増えるように思えます。


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