株の利益は、年金原資

富める人は富み、生活が厳しい人はさらに厳しく(2015.4.22)

 経営見直し中のマックは上場来最大の営業赤字だそうで、早期退職者を100人募集だそうです。同時に不採算店131店舗を閉鎖するそうですが、こういった話を聞くと飲食業は大変だなと感じます。

 ただ今回は異物混入に対する上層部の動きが遅かったのかもしれないなという印象は受けます。そのためかどうかは知りませんが、社長さんは半年間20%減額だそうです。

 しかしその程度の減額なら、生活基盤を揺るがすほどではないと思います。一方早期退職に応募する人は、生活基盤が根底から崩れるわけですから、その後の身の振り方に悩んで精神疾患を患う人も出てきそうです。

 だとすれば役員全員がもっと責任を明確にして減給等になってもおかしくないと思いますが、なぜ社長さんだけなのか?このあたりも個人的には不思議だなと感じます。

 一方131店舗を閉鎖して100人早期退職者を募集ということは、1店舗あたりの正社員数は1人ぐらいしかおらず、あとはパートさんということになっているのでしょうか?

 だとすれば、そういったパートの方の仕事も失われるということで、影響は大きいですね。しかしネットで調べてみると、こういったファーストフード系のお店には、もともと正社員はほとんどいないという風に書かれています。

 ということは、そういったパートの方たちが、必死に働いて今の安い価格を維持しているのだと思いますが、我が家ではその安い価格のファーストフードすら利用せずに節約しようとがんばっていますから、今後私のような高齢者が増えると、ファーストフード系の営業はさらに厳しくなりそうです。

 商品が売れない → 価格を下げる → 正社員を減らす → パートを増やす → 収入が増えない → 節約せざるを得ない → 外食は諦める → 商品が売れない、とまあある意味、負の連鎖がおきるような気もします。

 政府のほうは、企業の給料は上がっていると宣伝しているようです。確かに正社員さんの給料は上がっているのかもしれませんが、パートの方たちの給料も上がっているようには思えません。

 こういった負の連鎖を止めるには、やはりきちんとした正社員さんの雇用を増やし、業績によって給料を上げ、将来計画が出来るような待遇を保障しないと、本当の意味でデフレ脱却とは言えない気がします。

 今日は遂に日経平均が20000円に到達しました。これまた景気が回復しているという一種の宣伝活動に使われるのかなと思いますが、「年金資金で株を買うぞ」「円安誘導で海外投資家を呼び込む」といった要因による上昇だと私は思っています。

 つまり私が過去に納めた年金資金が株の上昇に使われているというイメージもあり、だとすると、余裕資金の投資により市場から利益を得ている人たちは、大多数の庶民が汗水たらして働いて払い込んだ年金資金の一部を利益として受け取っているという図式にもなりそうです。

 ということは裕福な人はますます裕福になり、パートで働いている人の生活はいっこうに楽にならないという結論になり、その行く末はと考えると悲しいです。


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