この答弁では理解は得られない

答弁の内容が婉曲的過ぎて理解不能(2015.7.30)

 国会の特別委員会では安全保障法案の審議が行われています。午前中に車で買い物に行ったときラジオをつけたら、ちょうど国会中継でした。5分ほど聞いていましたが、相変わらず安倍総理の言っていることがよくわかりません。

 ご本人は丁寧に説明しているつもりなのかもしれませんが、同じ言葉を執拗に何回も繰り返して話すので、いつの間にか主語と動詞が不明確になり、結局何を言っているのかよくわからないと感じてしまい、すぐにスイッチを切ってしまいました。

 野党の質問は理解できるのですが、それに対して常に直接答えることをしないで、回りくどい説明を延々としているように感じます。いつもそう感じることが多いので、実に不思議な質疑だなと感じますが、実は質疑の形になっていないようにも思います。

 答えているようで、何も答えていないと感じることが非常に多いです。野党が「これは何々を意味していますね?」と質問すると、必ず良いってよいほど「はい」とか「いいえ」とは言わず、「この件に関しましては、歴史的経緯が・・・・・とありまして、現在は・・・・の法律や、過去の・・・・・というような事例によって・・・・・・と解釈されることもありますが、実際には・・・・・というような意味合いもあり、これらを現在総合的に判断しているところでございます」なんていう答弁ばかりですから、聞いている方は疲れます。

 質問している野党議員さんもつくづく大変だなと思います。明快な論理性のある質問に対して、不明確かつ婉曲的な表現を多用する答弁によって、あたかも質疑が行われているような情景を作り出しているようにも見えます。

 それでもこういったあまり実のない討論であっても、ある程度審議時間が経過すれば最後は採決ということになり、数の論理で押し切られることになるわけですから、困ったもんだなと思います。

 しかしそういった数の論理が通用するような議員さんを選んだのは、われわれ国民ですから、現状に疑問を感じながら、行く末を見守るしかないわけです。(もちろんデモやこういったブログ、ツイッター等で賛否の意思表示をすることは可能ですが)

 それはそれとして、新聞を読むと景気判断が全国的に引き上げられたなんていう記事が出ていて、ずいぶん実感と違うなと思いました。

 また「最低賃金引き上げ」という記事も出ていて、これは労働者側にとっては多少なりとも朗報なのかなという気はしました。額は18円という微々たるものだそうですが、仮に現在の最低賃金を800円とすれば、2.3%ぐらいのアップですから、上昇率で考えると大きい感じはします。

 月々15万もらっていた人は一か月で3500円ぐらい増えることになりそうで、少し気持ちが明るくなったかもしれません。

 しかし新聞にも書いてありましたが、突然の政府主導による最低賃金引き上げは、支持率が低下し始めた安倍政権の人気取りのようにも見えます。

 また年金の方は増えないばかりか減額が決まっていますから、今後も高齢者には厳しい生活環境が続くのだろうなと思っています。


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