やらないよりやったほうが良い?

プレミアムフライデーは思い付き?(2016.12.13)

 自民党というか政府というか誰が言い出しっぺなのかは不明ですが、「こりやだめだ、こんな貧困な発想しかできないんじゃ経済が活性化する訳ないだろう」と思ったのがプレミアムフライデーという考え方。

 ニュースを聞いた瞬間、「冗談だろう」と思いましたが、どうやら本気のようです。ここのところ、低空飛行をしている日本経済を何とか浮揚させようと、給料を上げろという要請を企業に行い、無年金者に対して制度を緩めてその適用範囲を広げたりと、まあかなり努力しているんだなという姿勢は見えていました。

 しかし今回の話は「まさかそんなことを本気でやるの」と思えるような内容でした。旗振り役はプレミアムフライデー推進協議会という団体だそうで、経団連、小売り、旅行などの集まりだそうです。

 最初の実施日は来年2月24日の金曜からで、月1回実施。この日に限って仕事を3時に切り上げて帰宅できるようにして、ついでにイベント等を行い消費を盛り上げるというのが趣旨のようです。

 似たような行事にアロハフライデーというのが私の好きなハワイであります。ただしハワイでは終業時間は切りあがらず通常通り。ただ気持ち的にこの日は少し羽目を外してもいいんだという習慣になっているような気がします。

 それと同じことを日本でもやろうと考えたのかもしれませんが、果たして盛り上がるのか?学校はどうするんでしょうか?学校も早めに切り上げないと、折角親が早めに帰ってきても子供がいないので一緒に楽しめないということになりそうです。

 しかし学校を早めに切り上げたら、授業時間が減るという文句が出そうです。教員は何時まで働くことになるのでしょうか?

 また一般の人でも3時に終わる人と終わらない人もいるはずで、なかには売り上げを確保するために働かなくてはいけないという人も出てきそうです。

 もし時間を増やすことでお金を使う土壌が育成されるならば、もっともっと祝日を増やせばいいわけで、それを2時間だけ繰り上げて終りにして経済活性化というのは都合が良すぎる姑息な考え方のような気がします。

 どうせなら政府が音頭をとってプレミアム商品券を国民一人一人に配布して、この日に限ってその商品券が使えるという日を設定すれば消費の機運はもう少し盛り上がり、派生的に他の物も売れるかもしれません。

 要は何回も書いていますが、必要もないものをあえて買う必要はないし、目先の物より将来の年金、社会保障が心配でしょうがない現状をどうするのかということが問われているのだと思います。

 そしてそのことに対して政府や財界?は何ら有効な答えを持っていないということが証明されてしまったということだと思います。

 結局お金の消費というのは、将来に対して夢がありそれを実現するためにこれを購入しようという流れになるのが正しいのだと思います。

 しかし年金は不安、医療も不安、経済も何となく不安という中で、ああしたいこうしたいという夢を持つことは非常に難しく、そんなな中で、ちょびっと暇な時間ができたり、わずかにもらえるお金が増えたりしても、よしそれじゃそれを有効活用しようという機運は盛り上がらないような気がします。

 とはいうもののじゃあどうすればいいんだ。やらないよりやった方が良いだろうと言われれば、まあそんなもんかなという気はします。

 しかし必要もないのに、明日は金曜だから2時間早く仕事が終わるよ。楽しんでね。と言われても、もし私がフルタイムの勤労者であっても素直に喜べない気がします。

 なぜか思い付きに見えてしまうこの政策ですが、果たしてどうなるのか?ネットでは労働者を馬鹿にしているとか、超過勤務からの目くらましという意見も見ることができます。

 さてどうなるのか?苦肉の策と言えないこともないと私は思っていますが、やってみたら消費倍増なんてことが起きるかもしれません。それはそれでまた不思議だなと思えます。


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