消費増税と低所得者対策

制度を知らない低所得者(2012.1.2)

 大晦日の新聞紙上では増税についていろいろ書かれています。高額所得者は負担増、まあこれはしょうがないですね。そもそも1日8時間労働で、一方は時給800円で6400円。これでは食べていくのがやっとです。

 月収なら25日働いて16万。ここから所得税が5%引かれて152000円。ここから消費税が引かれてと考えると悲しくなると思います。我が家の現状も似たようなものです。

 一方課税所得が1800万を越える人は、月に直せば150万。現在の税率が40%なので実際のお金は90万。これが今回45%になるので82.5万。

 月々7.5万もふんだくられると思えば腹が立つと思いますが、分母が150万ですから、食べるに困ると言うことは先ずないと思いますので、その影響は低所得者と較べて圧倒的に軽いと言えるような気がします。

 税率の変遷をウィキペディアで見ると1974年から1984年の10年間は、所得の区分がひじょうに細かく設定されていて、最低が10%、最高税率が75%です。この間が18段階に区分されています。

 個人的にはこのように細かく設定した方が、不公平感が減るような気もするのですが手続が面倒なのでしょうか。よく分かりません。現在は6段階しかありません。 

 しかし増税論議で、もちろん税金が増えるのは嫌なのですが、反対派の方々は、では今後どのように国家財政を立て直すのか、どのように借金を減らすのかというビジョンを示してくれないので、ただいたずらに反対しているようにしか見えません。

 結局、国民のためといいながら、増税→支持が得られない→選挙で落選、ということだけを考えているようにしか思えません。増税そのものは不愉快ですが、いまのところ野田総理の動きは、ここ5年ぐらいの総理の中で一番まともであるような気がしています。

 一方、低所得者にはなんらかの補助をというのが政府の考えのようですが、私のこれまでの経験では、低所得者ほどそのような補助制度の存在を知る術がないというのが現状であるように思えます。

 授業料補助を我が家も受けていますが、学校からの通知を生徒本人がきちんと保護者に渡し、その通知内容を保護者が理解し手続を勧めることがこれらの制度の条件になっているわけで、生徒が通知を保護者に渡さなければ、保護者はその存在すら知り得ません。

 これは奨学金制度なんかでも言えることで、私はかつて校内でその係をやっていたことがあるのでよく分かります。締めきり間際になっても保護者に書類が届いていなかったり、保護者が手続の内容を理解できず、どのような書類を整えたらよいか分からず、突然申し込みを行ってきたりと大変でした。

 昨年我が家は一人親支援のための「児童扶養手当」を申請しましたが、これも市や県の広報をよく見ていないと見逃します。制度の存在を知っているかどうかが補助を受けられるかどうかの一つの踏み絵になっています。年金保険料の減額や免除制度も同様です。

 正直なところ、言い方は良くないかもしれませんが、低所得者の方々の中には漢字等の理解力もなく、正式な書類を作ることが出来ない人も少なからずいるように感じます。 (親の代わりに子供が書類を書いている家庭があります)

 そう言った人たちを救済しようとするならば、あとで補助金を出すのではなく、やはり食品等の生活必需品への消費税は、現行通り5%で実施したほうが良いように思います。 
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