楽して儲ける旨い話はありません

AIJ投資顧問の年金運用(2012.3.5)
 
 AIJ投資顧問の年金問題に旧社会保険庁OBが絡んできました。まるでネズミ講のような詐欺事件に思えます。

 いい加減な投資をしている会社を、社会保険庁のOBが、セミナーで紹介し、そのセミナーに参加した運用を委託された方が、その話を信じて資金の運用を任せてしまったというのが真相のようですが、ひどい話です。

 先ず投資顧問会社そのものがどのような資金運用をしていたのか?普通は年金運用を任されたとなれば、顧客の老後の財産を扱うわけですから、「基本的に減らせない」と思うのが良心的な運用方針だと思います。

 それが10分の1にも満たない額まで減少しているわけですから、要するに自分のお金ではないから気楽に投資が出来ると考えて、ギャンブルに走ったと思われてもしょうがありません。

 投資顧問会社というのはそういった方々だけではないと思いますが、これで一般的な投資顧問会社全体の信用が傷つきました

 次に責められるのは、旧社会保険庁OBという肩書きを背負って、そういったいい加減な運用をしている会社をセミナーで紹介した人です。

 もし投資顧問会社がいい加減な投資をしていることを分かっていながら紹介したということであれば、これは意図的な詐欺ではないでしょうか。

 一方分からないで紹介した、という言い逃れが出来るかもしれませんが、それはセミナーを主催する側として、「分からなかった」「私も騙されていた」では済まない問題です。紹介した方の、顧問会社に対する調査不足を自ら認めたということです。

 さらに、そういったセミナーに参加して、単に表面上の利率だけに飛びついてしまった、年金資産を預かっている方達にも問題がありそうです。

 当然この方達は運用のプロではありませんから、セミナーに参加して少しでも利率の良い運用を心がけたと言うことだと思いますが、やはり大きなお金を扱う以上、それなりの責任感で運用委託を行わないといけないのだと思います。

 ただ投資顧問会社が表面的な利率だけをうたったパンフレットを作り、それを旧社会保険庁OBという肩書きを持った人が紹介すれば、「まあ信頼できるだろう」と普通は思うはずです。その意味では、旧社会保険庁OBの罪は重いと思います。

 しかし問題はさらに拡がるかもしれません。正直なところ私自身も私的年金を特定の組合にお願いしていますので、その組合がAIJや他の粉飾決算を行っているかもしれない投資顧問会社に運用を委託していれば、当然私の年金も減額になる可能性があるので、他人事とは思えません。


表紙に戻る 投資一般 為替が円安傾向