分散投資は難しい

シニア退職世代の資産形成はははどうあるべきか(2015.11.24) 

 現役時代の資産形成と、退職後のシニア世代の資産形成の方法は異なるのではないかと思っています。このあたりマネー雑誌は、ともかく投資をして増やすという部分に重点が置かれ、両者の違いが明確でないような気がします。

 ではフルタイム勤務時代と年金世代の収入や支出の違いとは何か?とりあえず私が思いつくことを挙げてみると

1 フルタイム時代は、月々の収入が大きいのに対して、退職シニア世代は、年金に副収入をプラスしても、現役時代の収入には届かない可能性が大きいです。

2 シニア退職世代は、退職金をもらっている可能性が大きいので、貯蓄額(資産)そのものが比較的多いはず。

3 フルタイム世代は、収入は多いかもしれませんが、子育て等もあり、支出額も多い。一方シニア年期世代は、順調なら子育ても終わり、家族そのものの人数も減っている場合が多いので、日々の支出額が少ない。

4 フルタイム現役世代は、その先が30年40年と続くのに対して、シニア退職世代は基本的に長くても20年前後の見通しがあればよい

というような特徴があるように思います。

 ということは現役世代はその後の長い期間を考慮して、コツコツと少額でもよいので積み立てを行うのが良いように思います。また住宅ローン等の借金があるなら、ともかく少しでも早く返済してしまうほうが良いように感じています。

 一方シニア退職世代は、日々の生活費が少なくてすむ割に、退職金等で保有している資産は現役世代より多いはずです。従って、この資産をうまく活用して、老後の人生を豊かにするというのが最大の目標になりそうです。

 ただし保有資産が多いからといって、ある瞬間に例えば株式投資で、いくら優良株と言われていても株価が1000円もするような株を一度に10000株購入して1000万を投資するというのは無謀だと思います。

 投資は分散するのが一番だとよく言われます。この分散というのが実は難しくて、単純に複数の銘柄を購入すればよいというものではないと私は思っています。

 つまり株式投資だけに限ったとしても、例えば業績が良い会社と悪い会社を組み合わせるとか、株価が上昇基調の銘柄と下降基調の銘柄を組み合わせる、円安で利益が出る企業と円高で利益が出る企業というような組み合わせとか、まあその考え方は様々だと思います。

 さらにそこに時間的な分散も考慮しないといけないと私は思っているので、それこそ資金がいくらあっても足りないという感覚もありますし、そんなことまで考えていられるかという気持ちもあります。

 だとするとそういった面倒な判断はプロに任せようという発想が生まれるはずで、そのとき初めて投資信託の利用価値が生まれてくるのかなと思うようになっています。(続きます)


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