金融口座のパスワード

2021.6.25

 「頸動脈に狭窄があって、血液がほとんど流れていないみたいです」と超音波検査の画像を見ながら医師から告げられた時、「えっそうなんですか?」と、表面上は冷静に振舞うことが出来ましたが、胸中は不安が増すばかり。

 その場で大学病院で精密検査を受けるように言われ紹介状を書いてもらいました。それを持って、明日にでも大学病院に行って検査を行ってもらおうと思ったのですが、たまたまその日は土曜で、大学病院は緊急入院以外受け付けてもらえないということでした。

 というわけで、その日の午後と翌日に日曜日は、今にも脳卒中が発生するのではないかと思え、かなり不安でした。

 そういった不安を抱えながら帰宅して、先ずは息子に自分の現状を話し、今後検査があり、その結果によっては手術、入院となるので、日常生活に影響が出ることを伝えました。

 ちなみに息子は26歳。前回のクモ膜下出血発症時はまだ学生で、日々今より自由度が大きい生活でしたが、すでに就職していて、毎日きちんと出勤しています。

 私も一時期実家を離れて一人暮らしをしていたから分かるのですが、仕事をしながら、日々食事を用意し、部屋の掃除や洗濯を行う生活はかなりしんどいことが分かっています。 

 ただ幸いにも、息子は素直にそういった生活になることを受け入れてくれたようで、あっさりと「分かった」と言ってくれました。

 その返事を聞いて、手前味噌ですが、「おっ結構息子も成長していたんだ」とうれしかったのも事実です。

 次に行ったのが、今後自分では予想しない時期に突然脳卒中となり、場合によっては帰らぬ人若しくは発症部位にも寄りますが、脳の働きに支障が出て知能が著しく減衰とか、身体機能が失われる場合があるかも、という予想の下に、資産の洗い出しを息子が分かるようにしておかないといけないということでした。

 というわけで、日ごろまとめている月ごとの我が家のわずかな資産の一覧表を見ながら、銀行口座や証券口座の一覧表と、その口座に入るためのパスワード等の資料をそろえました。

 早い話が、終活時の作業と言えるものです。ただ銀行口座の金額は、自動引き落としや年金の振り込みがあるので日々変動しています。
 
 つまり今日は100万円の貯蓄があっても、明日は80万円になっているかもしれないし、120万円になっているかもしれないということで、資産の現状把握は意外に難しいんだなと感じました。
 
 とはいえ、ネットを使って口座にアクセスするためのパスワードが分からないという事態だけは生じないようにしないといけない。

 特に本人の知能だけが衰え、生きてはいるけど口座管理が行えないという状態になった時、相続人(私の場合は息子のみ)が口座のパスワードを知っているかどうかはかなり大きい要素であると思います。

 てなわけで、翌日の日曜日はその一覧表を作る作業をしていました。



逝去後の様々な手続き


最後への備え


表紙に戻る